• 公開日:2018.03.20
  • 最終更新日: 2025.03.28
「障がい」を「価値」に変える――ミライロ 垣内俊哉社長

SB 2018 Tokyo

(撮影・福地波宇郎)

「生きることを何度もあきらめようとした。生まれたことを不幸に思っていた」――。「サステナブル・ブランド国際会議2018東京」の1日目、車いすで登壇したミライロの垣内俊哉社長は、ウェルカムスピーチをこう始めた。「それでも、視点を変えると少しずつ変わっていった。『障がい』は『価値』に変えられるはず」。そう語る垣内社長の言葉は会場に響きわたった。(オルタナ編集部)

垣内社長は「骨が弱く折れやすい魔法にかけられ」、これまでに骨折を20回以上、手術を10数回経験してきたという。

「学校、運動会、修学旅行に行けない。障がいがなかったら、普通だったら――。足で歩けるようになることをずっと願ってきた」(垣内社長)

大学生時代、ウェブの制作会社でアルバイトをしたところ、営業成績が一番になった。垣内社長は「車いすに乗っていることで、多くの人に覚えてもらえた。見方を変えれば、障がいが価値になることに気付いた」と話す。

こうして障がい(バリア)をバリュー(価値)にする「バリアバリュー」を企業理念に掲げ、2010年、20歳のときに友人とミライロ(大阪市)を設立した。

「バリアをバリューとして受け止めていく。そうした未来が実現できたら」(垣内社長)

垣内社長は、社会には「環境のバリア」「意識のバリア」「情報のバリア」の3つがあると言う。ミライロでは、ユニバーサルマナー検定の運営や、ユニバーサルデザインのコンサルティングなどを通じて、これらのバリアを解消し、多くの人が安全に暮らせる社会を目指す。

垣内社長は「続けていくには、経済活動として取り組む必要がある。社会性と経済性の両輪があってこそ持続可能になる。高齢化先進国である日本だからこそ、世界をリードする取り組みを進めていきたい」と力を込めた。

Related
この記事に関連するニュース

Tokyo Pride 2025――若者や企業が「Same Life, Same Rights」訴える 
2025.06.20
  • ニュース
  • #人権
  • #ダイバーシティー
真に実効性のある人権デューデリジェンスを考える
2025.06.16
  • ニュース
  • #人権
  • #ダイバーシティー
「ジェンダーギャップ指数2025」発表 トランプ政権やAIの影響懸念も
2025.06.16
  • ニュース
  • ワールドニュース
  • #人権
  • #ダイバーシティー
4年ぶり政府SDGs報告書 ジェンダー平等遅れ明記、企業には人権尊重要請
2025.06.12
  • ニュース
  • #人権
  • #ダイバーシティー

News
SB JAPAN 新着記事

nest第3期活動報告に見る、若者目線のサステナビリティ
2025.06.20
  • ニュース
  • SBコミュニティニュース
    Tokyo Pride 2025――若者や企業が「Same Life, Same Rights」訴える 
    2025.06.20
    • ニュース
    • #人権
    • #ダイバーシティー
    インパクト評価を真の企業価値につなげるために――投資を通じた金融機関の役割とは 
    2025.06.19
    • ニュース
    • #情報開示
    • #ファイナンス
    • #ESG投資
    急成長する太陽光発電――企業が注目すべき意外な未来の新技術5選
    2025.06.19
    • ニュース
    • ワールドニュース
    • #再生可能エネルギー
    • #気候変動/気候危機
    • #カーボンニュートラル/脱炭素

    Ranking
    アクセスランキング

    • TOP
    • ニュース
    • 「障がい」を「価値」に変える――ミライロ 垣内俊哉社長