• 公開日:2018.04.23
日本で「クリーンエネルギー」をどう普及させるか
  • 辻 陽一郎

SB2018Tokyo

FoE Japanの吉田氏、大和ハウスの小山氏、みんな電力の三宅氏、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の吉高氏

事業運営に使う電力を、100%再生可能エネルギーで調達することを目指す「RE100」へ加盟する日本企業が増えてきた。2016年度は1社もなかったが、今年3月末時点で6社となった。「日本の経済・社会にクリーンエネルギーをどう普及させるか」のセッションでは、3月に加盟を発表した大和ハウス工業の小山勝弘環境部長が登壇した。(辻 陽一郎)

同社は3月、RE100と合わせて事業のエネルギー効率を倍増することを目標に掲げる「EP100」にも加盟。小山環境部長は「再エネと省エネの両輪で取り組むことが大切。複数のことにきちんと取り組むことが脱炭素につながっていく」と話した。大和ハウスが取り組むエネルギーゼロの住宅やビルづくりでは、建物で消費するエネルギーを半減させて、残りを再エネでまかなうことでエネルギー収支、CO2排出量がゼロにする。

「地球環境のためと消費者の危機をあおるのではなく、再エネを使うことがグッドライフにつながっていくと伝え、ゼロエネルギーハウスの普及していく」。

みんな電力の三宅成也取締役事業本部長も、再エネを普及するときに、手触り感や自分にとって快適なことが大切という。同社には企業から「どうやって再エネを使えばいいか」という相談がある。海外とは異なり、日本ではまだ再エネを使うことがコストをあげることになる。「コストと考えるのではなく、地域に貢献するという形で電気を買うことができる。例えば、南相馬で震災復興をしている太陽光を買って応援する。どの電気を買うかが企業のPRになり、バリューもあがる」。

みんな電力の特徴は「顔の見える電力」だ。電気を買うことで好きな生産者を応援する。電気の生産者と消費者をつなぐ顔の見える仕組みが重要だ。

一方、国際環境NGO FoE Japanの吉田明子氏は「化石燃料、石炭火力への投資を引き上げようと言う動きが各国で盛んになっている中、日本は石炭火力発電所を40基以上つくるという計画がある」と指摘する。昨年、パリ協定の影響や事業計画が困難になり採算が取れないなどの理由から中止になった計画もあるという。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券クリーン・エネルギー・ファイナンス部の吉高まり主任研究員は「国連気候変動枠組み条約締約国会議へ行くと、日本は石炭火力に頼っている国だとバッシングを受ける。外務省が開いた気候変動に関する有識者会議では、再エネにドライブをかけていこうと答申を出した。今後、外交政策にも役立てることを期待している」と述べた。

written by

辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

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