• 公開日:2018.09.27
レンチング、木材パルプ原料で持続可能な不織布

不織布の原料となる木材パルプ。(Copyright: Lenzing AG 撮影: Franz Neumayr)

オーストリアの繊維メーカー「レンチング」(本社ウィーン)はこのほど、植物由来の木材パルプを原料とした不織布を製造する新たなテクノロジー・プラットフォーム(基盤技術)を構築したと発表した。多くの不織布製品がポリエステルやポリプロピレンなどのプラスチックを原料とするなか、生分解性のある原料を使用していることが特色。今後環境に配慮した持続可能な不織布製品の開発を進め、新たな市場を創出したい考え。(オルタナ編集部=堀理雄)

不織布は、繊維を織らずに絡み合わせたシート状の布で、衣料や日用雑貨の他、建材、工業用など幅広く利用されている。

同社が2600万ユーロを投資して開発した「レンチングウェブ・テクノロジー」は、木材パルプを原料とし、独自の技術により表面の多様な手触り感や柔軟性、強度を持つ不織布製造を実現した。他の不織布との複合が可能で、様々な複合材の開発にも適しているという。

レンチング・グループ グローバル・マネジメント不織布部門のウルフガング・プラッサー・バイスプレジデントは、「消費者はプラスチックが河川や海洋生態系にもたらす悪影響にますます敏感になってきている。新たに構築した技術により、天然かつ生分解性のあるセルロース材料を用いた画期的な用途の開発が、バリューチェーン間で活発になるだろう」と述べている。

同社はこれまでにも「テンセル」「ヴェオセル」など、木材由来セルロース繊維を開発・生産し、グローバルに展開してきた。中核事業である繊維に加え、エンジニアリングやプラント建設などの分野でも事業を行っている。

Related
この記事に関連するニュース

森林を守る企業が「海」も守る――サラヤ、対馬で海洋ごみ問題に挑む
2025.09.10
  • ニュース
  • #パートナーシップ
  • #イノベーション
  • #資源循環
  • #プラスチック
ランセット、プラスチック汚染と健康のグローバル監視システムを始動
2025.09.02
  • ワールドニュース
  • #リジェネレーション
  • #プラスチック
プラスチック条約交渉、またも合意ならず 打開策はどこに?
2025.08.18
  • ニュース
  • ワールドニュース
  • #サーキュラーエコノミー
  • #資源循環
  • #プラスチック
海洋プラごみの解決策は海への「流出阻止」:発想を変えた英企業の挑戦
2025.07.30
  • ワールドニュース
  • #プラスチック

News
SB JAPAN 新着記事

排出量削減に苦慮する航空業界の切り札となるか 有望なイノベーション5選
2025.09.16
  • ワールドニュース
  • #イノベーション
  • #気候変動/気候危機
  • #テクノロジー
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
Z世代がリードする気候変動時代の課題解決 世界で活躍する若き起業家たち
2025.09.12
  • ワールドニュース
  • #イノベーション
  • #気候変動/気候危機
【編集局コラム】自然との境界線が溶け合う。スリランカのホテルで考えた「本当の快適さ」
2025.09.12
  • コラム
  • #ウェルビーイング
  • #生物多様性
よく見かける「レジリエンス」ってどういう意味? 定義と用例をチェック
2025.09.11
  • ニュース
  • #リジェネレーション

Ranking
アクセスランキング

  • TOP
  • ニュース
  • レンチング、木材パルプ原料で持続可能な不織布