• 公開日:2021.04.16
バリラ、プラ包装を「卒業」:国内のパスタ製品すべてを紙パッケージに
  • 沖本 啓一

スーパーで見かけるパスタの青い袋が、今後は紙製の青い箱になる。バリラジャパンは15日、国内で消費者向けに販売されるパスタ製品のパッケージを、2021年春から認証取得済みの紙製の箱に切り替えることを発表した。新紙パッケージは「ブルーボックス」と呼ばれ、同社のサステナビリティの象徴として世界各国のバリラ製品で既に使用されているという。国内でも脱プラスチックの機運が高まっていることを受けて導入に踏み切った。同社のニックヒル・グプテ代表はイベントで「プラパッケージ卒業」を宣言。女優・創作アーティストの のんさんも出席し、SDGsの推進を啓発した。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局)

バリラジャパンは2021年の春から順次、プラスチック製の袋を利用していた消費者向けのパスタ製品のパッケージを紙の箱に変更する。本社を置くイタリアを始め、各国で展開する同社のパスタ製品は既に切り替え済み。同社の国内参入当時の90年代に、プラ袋入りの製品の流通が主流だったこともあり、これまで日本では従来通りのパッケージを利用していたが、脱プラスチックの機運の高まりを受けて切り替えを決定した。

日本人一人あたりのプラスチックごみ排出量は年間約32キログラムと言われる。バリラジャパンの今回の素材切り替えでは年間31トン、968人分相当のプラスチックごみ排出量を削減できるという。「ブルーボックス」と呼ばれる新パッケージにはのぞき窓がデザインされており、この部分のみプラスチック素材が使われるが、今後リサイクル可能な素材に変更するなど対応する予定(2019年の同社製品パッケージの99.7%はリサイクル可能に設計されているという)。また食品の安全を考慮し、リサイクル紙を使わず、FSC認証やPEFC認証を取得したバージンパルプ100%でつくられる。

実際に手にしてみると、立てたり積み重ねて置くことが容易で、利便性も上々。一度開封した箱を密閉するには専用のキャップが必要だが、保存性能についても従来のプラの袋と同程度だという。

15日に行われた「バリラ 新紙パッケージお披露目 PRイベント」ではグプテ代表がプラパッケージ卒業を宣言し、同社の持続可能性に関する考えが発表された。その中で示された持続可能なパッケージについての6つの指針は以下の通りだ。

サステナビリティとSDGs推進する姿勢強調

企業ミッションに「Good for You, Good for the Planet(GYGP)あなたに良いもの、それは地球にも良いもの」を掲げる同社は、「我が子に食べさせたいと思える食品を人々に提供せよ」という創業者のピエトロ・バリラ氏の思いを受け継いでいる。

グプテ代表はプラごみ削減だけでなく「バリラグループとしてはCO2排出量を削減すること、水の使用量を削減することを重要な課題だと考えている」と話す。実際、原料の小麦粉の輸送手段としてトラックなどを使わず、自社で輸送用のレールを設置し専用の列車を運行するといったCO2削減への投資、取り組みを行っている地域もあるという。

また、同社は取引のある約9000の農家に持続可能な農業のノウハウを共有したり、使用すべきではない薬品の情報共有、製品だけでなく土壌そのものを持続可能にするための情報の共有などのコミュニケーションを行っている。グプテ代表は広くサステナビリティとSDGs達成への取り組みを推進する姿勢を示した。

イベントに参加した女優・創作アーティストの のんさんは、ジャパンSDGsアクション推進協議会が認定する「SDGs People」の第一号に選ばれている。「(SDGsは)最初は簡単に手を出せない難しいものだと思ったけど、身近なところに自分ができることがあるとわかった」と話す。「地球と対等な気持ちでいて、何かしたときに『良いことをした』と自慢の気持ちが持てれば日常的にSDGs(の推進が)できる」と自分ごと化のコツを話した。バリラの「ブルーボックス」は、まさに消費者の身近な生活の中の、新たな選択肢と言えるだろう。

written by

沖本 啓一(おきもと・けいいち)

フリーランス記者。2017年頃から持続可能性をテーマに各所で執筆。好きな食べ物は鯖の味噌煮。

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