• 公開日:2018.08.30
京都府と大手生保4社が協定、地域社会の発展に貢献
  • 辻 陽一郎

京都府は8月、住友生命、第一生命、日本生命、明治安田の大手生保4社と地域活性化包括連携協定を結んだ。自治体が、地域包括連携協定を同一業種の複数企業と同時に結ぶのは珍しい。複数の営業拠点・営業社員のネットワークを持つ生保4社と連携することで地域社会の発展に取り組んでいく。社員によるがん検診などの受診推奨の啓発活動や訪問と合わせた地域見守り活動を府内全域に拡げていくという。(辻陽一郎)

地域活性化包括連携協定の連携項目は以下の6点である。
1.健康増進に関すること
2.こども・少子化対策に関すること
3.働き方改革・女性の活躍推進に関すること
4.地域の安心・安全、防災対策に関すること
5.障害者支援に関すること
6.スポーツ振興に関すること
7.企業支援に関すること
8.その他地域活性化及び府民サービス向上に関すること

このうち「健康増進に関すること」では、健康寿命を伸ばすことを目的に、がん早期発見など各種啓発の取り組みを協力して行う。京都府が2016年に行った調査では、がん検診未受診が65%にも上った。疾病を早期に見つけ、適切な治療をしていくことが重要なため、がん検診の受診率向上を目指す。

京都府企画総務課担当者は「生命保険会社との協定で、がん検診の啓発に期待している。ノウハウを持っている方々なので、単なる啓発ではなく知識をもった社員の方に推奨してもらうことが重要」と話した。がん検診・特定健診等の受診勧奨に関する資料作成や資料配布等の啓発活動を実施する。

多くの自治体が企業などと地域包括連携協定を結んでいるが、同業4社と同時に結ぶことは珍しい。担当者は4社と結んだことで生保のもつネットワークを活かすことできめ細やかな取り組みができることに期待しているという。高齢者の見守り活動では、これまでも生保の社員が営業の際に、健康状態を見るという連携を一部地域で行ってきた。今後はネットワークを活かし、府内全域への拡大を目指している。

京都府と生保4社双方の資源を有効に活用した協働によって、地域の活性化につなげていく。

written by

辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

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