• 公開日:2018.03.26
「量的」から「質的」な豊かさへ――小宮山 宏・三菱総合研究所理事長

SB 2018 Tokyo:プラチナ社会とサステナビリティ

かねてから「プラチナ社会構想」を提唱している小宮山 宏・三菱総合研究所理事長が「サステナブル・ブランド国際会議2018東京」に登壇した。社会課題が山積するなかで、持続可能な社会システムをどのように確立していけるのか。講演の内容を一部抜粋して紹介する。(辻 陽一郎)

先進国ではモノも情報も移動の自由も手に入れ、量的な豊かさを実現しました。これからは自己実現という質的豊かさを求める社会になります。人類はプラチナ社会を目指していくのです。

それは、公害を克服し、生物多様性があるエコロジーな社会、資源が循環する社会、自由な選択肢がある社会です。重要なキーワードは「飽和」です。日本は資源のない国ですが、人工物やエネルギーはすでに飽和しています。

例えば、日本では新車が毎年約500万台売れますが、そこで使う鉄は、廃車となった車から回収して再利用しています。世界の鉄生産の30%がスクラップを溶かして作っています。

エネルギーも飽和しています。国内で自動車の保有台数や家の数、ビルの床面積は飽和しました。そこで新しい車に買い換えたり、新しいビルに引っ越したりするとエネルギー効率が上がり、エネルギー消費が減るのです。

日本ではこの10年、エネルギー消費は1.7%ずつ減少しています。エネルギー消費を減らしながら、生活のクオリティを上げているのです。

この流れは日本だけではありません。世界は資源循環型社会になるのです。そうなると、資源の不均衡が是正されます。世界は急速に豊かになり、地球を変え始めました。SDGsで言う「取り残された地域」が生まれる一方で、成長が行き過ぎた国もある。

私たちが抱える基本的な課題は、どうやって地球と社会と人間のバランスをとってサステナブルにしていくかということなのです。

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