• 公開日:2018.02.23
「食卓により安全を」海藻のエコ認証が運用開始へ
  • 沖本啓一

MSC(海洋管理協議会)とASC(水産養殖管理協議会)が共同で基準を策定した海藻のエコ認証の運用が、3月1日から始まる。世界的に海藻の生産量が急激に伸びる中、より安全な海藻を食卓に届けるために認証制度を求める声が高まっていた。運用開始直前の現在、審査機関には生産業者からの問い合わせが複数件あり、これまでMSC認証やASC認証のカテゴリ外だった海藻の、効果的なトレーサビリティの確保が期待される。(オルタナ編集部=沖本啓一)

「ASC・MSC海藻基準」をクリアすると認証が与えられる。ラベルは生産過程によって、ASCマークかMSCマーク、もしくは両方を付与する(提供=海洋管理協議会)

海藻のエコ認証は2017年11月にMSCとASCが共同で策定した。海洋生態系において、海藻の果たす役割が認識される一方で、世界的に海藻生産が急速に伸びている。農林水産省のデータによれば、国内の2016年の海藻類全体の収穫量は39万9300トンで、前年比で6.8%増加。このうち、のり類が7.8%増、わかめ類は8.9%増と、主要な海藻類は前年比10%増に迫る勢いだ。

収穫量が増加するに伴い、持続可能で、社会的に責任ある海藻生産の認証制度を求める声も高まっている、とMSCは説明する。天然の魚介類のエコ基準はMSCが、養殖の魚介類の基準はASCがそれぞれ策定しているが、海藻は他の海産物と違い、天然と養殖の区別が明確に分けられないケースもあることから、「ASC・MSC海藻基準」が策定された。同基準では海藻の生産過程で天然と養殖の扱いを整理し、最大33の業績評価指標への適合が検証される。

運用開始が間近に迫っている中、第三者認証機関には具体的な申請の手続き方法や費用などについて、複数の問い合わせがあるという。3月1日の運用開始と同時に認証の取得を申請する生産業者が現れることも考えられる。トレーサビリティが確保された、より安心・安全な海産物の流通に向けて期待が高まっている。

written by

沖本 啓一(おきもと・けいいち)

オルタナ編集部 編集局

好きな食べ物は鯖の味噌煮。

Related
この記事に関連するニュース

水資源管理の国際認証AWSが基準を改訂 日本企業の取り組みと主な変更点
2026.04.24
  • ワールドニュース
  • #情報開示
  • #気候変動/気候危機
  • #生物多様性
「自然資本に依存しているからこそ」 ヤマハ、キリン、WWFが語るTNFDの先の行動
2026.04.03
  • ニュース
  • SBコミュニティニュース
  • #生物多様性
自然への「ただ乗り」は限界 企業存続に向けネイチャーポジティブ経営への変革を
2026.03.02
  • ニュース
  • SBコミュニティニュース
  • #生物多様性
森の価値を再定義し、製紙業の枠を超える――磯野裕之・王子ホールディングス代表取締役社長執行役員CEO
王子ホールディングス
2026.02.16
  • インタビュー
  • #気候変動/気候危機
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
  • #生物多様性

News
SB JAPAN 新着記事

【編集局コラム】鹿の狩猟・精肉から、「いただきます」の意味を考えた
2026.05.01
  • コラム
  • #エシカル
  • #行動変容
共創の前に構想を描け 社会課題をビジネスで実装する3つのアプローチ
2026.04.30
  • ニュース
  • SBコミュニティニュース
    高専生が挑む「技術×社会課題」 初開催「SB TeC 2026」レポート
    2026.04.28
    • ニュース
    • SBコミュニティニュース
    • #テクノロジー
    電力自由化から10年、その成果と逆流——再エネ社会はなぜ進まないのか
    2026.04.28
    • ニュース
    • #再生可能エネルギー
    • #カーボンニュートラル/脱炭素

    Ranking
    アクセスランキング

    • TOP
    • ニュース
    • 「食卓により安全を」海藻のエコ認証が運用開始へ