• 公開日:2019.06.13
  • 最終更新日: 2025.03.02
ユニ・チャーム、生理を当たり前に語れる社会目指す
  • 小松 遥香

ユニ・チャームの生理用品ブランド「ソフィ」は12日から、生理を当たり前に語れる社会の実現を目指す「#NoBagForMe」プロジェクトを開始した。生理用品は購入時、紙袋などに入れられて見えないように隠される。生理は社会でタブー視されがちだが、人によっては体調を大きく崩すこともあり、職場や学校、家庭での理解が求められる。同社は紙袋で隠さなくてもよい社会を目指すとともに、新しい時代に求められるパッケージの開発を行う。(サステナブル・ブランド編集局=小松遥香)

「#NoBagForMe」プロジェクトは、生理用品を隠すための袋を「いらない」と言う選択肢があると社会に呼びかける。女性の体に自然に起こる生理を隠さず話せる空気を醸成することで、一人でも多くの女性が活躍できる社会を目指すものだ。Twitterや noteなどを活用し、生理・生理用品について情報発信・交換できる場所を設け、2019年末には新商品を発売する計画。

プロジェクトには、課題解決型アパレルブランドを運営するハヤカワ五味さんやオピニオンメディア『milieu』編集長の塩谷舞さんなど5人のインフルエンサーが参加している。発言力があり、SNSなどで意見交換を活発に行う5人と協働することで、さまざまな女性の要望をこれから開発する生理用品のパッケージデザインにも生かしていきたい考えだ。

ユニ・チャーム広報室の担当者は、「袋で隠すことなく持ち歩けるパッケージの生理用品を開発するのはメーカーの責任。ユニ・チャームは生活者の『不快を快に変える』ことを目指してきた。女性に寄り添い、女性が快適に暮らせるよう、生理に対する価値観や世の中の空気を変えたい」と話す。同社が今回のような社会変化を促すコミュニケーションを行うのは初めて。

プロジェクトを通して目指すのは、現在、女性しか受けていない初経教育を男女の隔たりなく受けられる社会、働く女性が生理休暇をとりやすい社会、そして店頭で生理用品を包む袋の有無を選択できる社会だ。

written by

小松 遥香(こまつ・はるか)

アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。一般企業で働いた後、出版社に入社。2016年から「持続可能性とビジネス」をテーマに取材するなか、自らも実践しようと、2018年7月から1年間、出身地・高知の食材をつかった週末食堂「こうち食堂 日日是好日」を東京・西日暮里で開く。前Sustainable Brands Japan 編集局デスク。

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