• 公開日:2018.11.27
NGOが金融機関の「炭素フットプリント」を比較調査
  • 辻 陽一郎

各金融機関の保有銘柄の割当GHG排出量(CO2換算トン/年)

銀行などの社会性格付けサイト「フェアファイナンスガイドジャパン」で、NGOらは金融機関の投融資を通じた炭素排出を見える化する「炭素フットプリント」の比較調査レポートを公開した。保有銘柄の温室効果ガス(GHG)排出量が多かったのは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や三菱UFJフィナンシャル・グループ。NGOらは「調査方法に課題はあるが、どの金融機関が気候変動にフレンドリーか比較するための第一歩の調査」と述べている。(辻陽一郎)

同レポートでは日本の主要16金融機関を対象に、国内株式ポートフォリオ(GHG排出量上位50銘柄)における炭素フットプリントを計算。保有銘柄の割当GHG排出量(CO2換算トン/年)の上位は上述の通りだが、この値では資産運用額が大きいほど排出量も多くなってしまう傾向にある。そのため、各金融機関の総資産額で補正した値の結果も示している。資産額補正後のGHG排出量(CO2換算トン/10億円)での上位はGPIF、日本生命保険、三井住友トラスト・ホールディングスとなった。

昨年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が気候変動に関わる情報開示の提言を発表して以降、気候変動リスク情報の開示に国内外の企業が取り組み始めている。国内では35の企業が提言への賛同を表明している。

開示が進む一方で、比較ができない現状をレポートでは指摘する。「各金融機関は、統一した方法論に基づいて投融資ポートフォリオの炭素フットプリントを比較可能な形で開示するべき」という。

11月21日に開いたセミナーで「環境・持続社会」研究センター(JACSES)プログラムディレクターの田辺有輝氏は「開示だけでなく下げていく努力も必要だ」と話した。「各金融機関には、投資先企業への働きかけや銘柄の入れ替えなどを通じて自身の投融資ポートフォリオの炭素フットプリントを削減する取り組みを進めるべき」と提言する。

written by

辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

Related
この記事に関連するニュース

始動から2年、森林由来J-クレジットの流通を変える「森かち」
2026.08.19
  • ニュース
  • #情報開示
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
ソニー「Green Management 2030」に見る、エレクトロニクス業界の環境配慮
2025.09.25
  • ニュース
  • #情報開示
  • #気候変動/気候危機
  • #ブランド戦略
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
日本企業のSBT認定・コミットが1000社超える――日経平均構成銘柄の半数が取得、セクターによって取り組みに差も
2024.04.04
  • ニュース
  • #情報開示
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
広告制作にも脱炭素の波 カンヌライオンズではCO2排出量の開示が推奨事項に
2023.03.13
  • ワールドニュース
  • #情報開示
  • #カーボンニュートラル/脱炭素

News
SB JAPAN 新着記事

変化を迎えたサステナビリティ情報開示の規制環境 財務部門との連携がカギ
2026.09.10
  • ワールドニュース
  • #情報開示
  • #ブランド戦略
  • #ガバナンス
世界のトレンドは「石炭火力終えん」 中国・インドで52年ぶり同時減少
2026.09.09
  • ニュース
  • #再生可能エネルギー
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
【日本企業の“当たり前”はなぜ伝わらないのか】第1回 誠実にやっているだけでは、グローバルには信頼されない
2026.09.07
  • コラム
  • #情報開示
  • #ブランド戦略
映画『ヒンド・ラジャブの声』9月4日公開 監督が問う「目撃者」の責任
2026.09.03
  • ニュース
  • #人権

Ranking
アクセスランキング

  • TOP
  • ニュース
  • NGOが金融機関の「炭素フットプリント」を比較調査