• 公開日:2017.11.22
「水素利用でCO2削減量の2割担う」協議会報告
    • 沖本啓一

    水素協議会はこのほど、世界初となる水素利用の具体的なビジョンを示した調査報告書「Hydrogen , Scaling up(水素市場の拡大)」を発表した。報告書では水素の本格的な普及とエネルギー移行についての構想を提示している。2050年までに水素を大量導入することによって、エネルギー消費量全体の20%を担うことができる。年間約60億トンのCO2排出量が削減可能となり、これは地球温暖化による気温の上昇を2℃までに抑えるために必要なCO2削減量の20%に相当するという。(オルタナ編集部=沖本啓一)

    水素協議会では、水素の需要に関して、2030年までに世界で1000万-1500万台の燃料電池トラックが走ると試算している。今回の報告書では、水素需要は2050年までに現在の10倍になり、80EJ程度のエネルギーが水素化されると見込んでいる。これは2℃シナリオにおける2050年の最終エネルギー需要の18%に相当する。

    一方で、水素の大量導入には大規模な投資も必要となる。投資額は年間で200億-250億米ドル、2030年までの累計は2800億米ドルになると試算される。報告書では「長期間の安定的な政策的インセンティブを含む、適切な規制の枠組みがあれば、水素大量導入に向かう投資は投資家にとって魅力的なものになる」とされている。

    協議会の共同議長を務めるトヨタ自動車の内山田竹志会長は「21世紀の世界は低炭素エネルギーの使用を拡大する方向に移行しなければならない」と強調。「水素は、このエネルギー移行に欠かすことはできない」(内山田氏)とした。

    同じく共同議長のブノワ・ポチエAir Liquide社の会長兼CEOは「今回の調査報告は水素をエネルギー移行の主軸のひとつと位置付けるもので、私たちは水素の大量導入をサポートしていくことに自信を持っている」と話した。

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    沖本 啓一(おきもと・けいいち)

    オルタナ編集部 編集局

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