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日本の輸入天然水産物は3割が違法・無報告

Photo by chuttersnap

海洋政策の国際学術誌「マリン・ポリシー」は今年7月発行の84号に、「日本への違法・無報告水産物の輸入量推計」と題した研究論文を掲載した。著者はカナダやサウジアラビアの科学者ら3人。EUと米国が違法・無報告・無規制(IUU)水産物の取り締まりを強める中で、世界3位の水産物輸入国・日本の現状を調べた結果、IUU水産物の輸入額は、日本全体の約3割に相当する年間約2000億円の規模に達していた。(瀬戸内 千代)

乱獲や人権侵害を招くIUU漁業を防止する動きは世界に広がっており、2016年には25カ国が批准して「寄港国措置協定(PSMA)」が発効。日本は、45カ国とEUが締結した後の今年6月に加入した。

研究を委託した環境団体のオーシャン・アウトカムズは8月23日、同じく持続可能な漁業を広める活動をグローバルに展開するシーフードレガシーと、政策の分析・立案をするジーアール・ジャパンと共に、日本に必要なIUU漁業対策に関する意見書を発表。その中で、前述の論文の概要を日本語で紹介した。

同研究によると、韓国、中国、ロシア、チリ、タイ、米国、インドネシア、ベトナム、台湾から日本が2015年に輸入した計27種類の天然水産物の24~36%、金額にして1800~2700億円が、違法または無報告漁業によるものだった。

特に中国から1万8138トン輸入したウナギは、45~75%が違法・無報告と推計された。この「75%」という割合は、調査結果の中でも群を抜いて高い。

量的に最も多かったのは、中国から輸入したイカ・コウイカ。推計によると、全体の35~55%にあたる2万6950~4万2350トンが違法・無報告だった。

日本の輸入水産物については魚種や原産国や輸入業者に関する公開情報が足りず、研究者は国際貿易統計のデータベースなどを活用し、輸入相手国の関係者らに36回のインタビューを行い、さらに321以上の論文や出版物を参照して、推計値を算出したという。

世界の三大水産輸入市場のうち米国とEUはIUU水産物の輸入規制を強化しており、IUU漁業を市場から締め出すためにも、日本の水産物にはトレーサビリティーの徹底が求められている。