• 公開日:2018.11.14
東京・渋谷にシェア傘1000本、使い捨て傘の削減へ

ソーシャルベンチャー企業Nature Innovation Group(東京・渋谷)は12月初旬から、傘のシェアリングサービス「アイカサ」を始める。JR渋谷駅の半径1キロほどの店舗やオフィスビルなど40~50カ所の「アイカサスポット」に計1000本の傘を設置し、利用者はスマートフォンのアプリに登録すれば1日70円でレンタルできる仕組み。返却はどのスポットでも可能。いつでも借りられる利便性とともに、使い捨てビニール傘などプラスチックゴミ削減を目指す。(オルタナ編集部=堀理雄)

日本洋傘振興機構の推定によると、日本国内の年間傘消費本数は1億2000~3000万本で、世界一の消費量といわれている。そのうちビニール傘は8000万本にのぼるとされる。「ビニール傘に関するアンケート調査」(2015年、アスマーク)によると、1年以内にビニール傘を購入した人のうち、「急場しのぎ」で使用が約8割、また「外出中に紛失する」 と回答した人がおよそ3人に1人(複数回答)であることが分かった。

「アイカサ」は傘のシェアを通じてこうした課題を解決し、雨の日に傘を持ち歩かない生活を提案しようと立ち上げられた。12月3日にまず渋谷駅周辺で開始し、取り組みが軌道にのれば他地域にも広げていく方針だ。

利用者はスマートフォンのアプリ「LINE」に登録すれば、1日70円で傘をレンタルできる。利用時に傘に付けられたQRコードをスマホで読み取り番号を入力すると、傘のロックが解除される。返却時はどのアイカサスポットでもQRコードを読み込むことで返却可能。料金はクレジットカードで課金される仕組みだ。

返却が遅れると1日ごとに70円ずつ課金されるが、420円を上限に1か月間使い放題になる。時間制なので、1日に何度レンタルしても料金は70円。登録料や会費はかからない。

アイカサの利用手順

「返してもらえるか」がカギ

同社広報担当の黒須健取締役によると、取り組みが成功するかどうかのカギの一つは、傘の返却率にあるという。これまでも無料で傘をレンタルするサービスの例はあったが、返却率が1割程に落ち込むケースもあり、活動が長続きしない大きな要因だった。

アイカサはこの課題を以下の2点で解決するという。つまりIoTを活用して誰が傘をレンタルしているか紐づける管理手法と、料金を従量制にして返却期間が延びるほど損をする仕組み、の2点だ。

黒須取締役は「持続可能な形で傘の問題を解決するために、(無料レンタルではなく)料金をとって事業化することを考えた。利用者からお金をもらっても、それ以上のリターンを環境や社会に還元できると思う」と力を込める。

傘は中国のサプライヤーを通じて製造。現地に出向いて頑丈なつくりにこだわり、2~3年の耐用年数を見込む。サービス開始前の11月13日時点で、利用登録者は600人近くにのぼる。

「モノのシェアというよりモビリティ(移動手段)のシェアだと考えている。傘を持ち歩くわずらわしさから解放され、雨の日の移動が楽しくなるような体験を提供したい」と黒須取締役は話した。

Related
この記事に関連するニュース

ソニー、海洋プラごみ対策の新たな計画 環境負荷ゼロへ取り組み加速
2019.08.02
  • ニュース
  • #行動変容
  • #プラスチック
アディダス、アパレルの循環・再生産目指し衣類回収
2019.06.06
  • ニュース
  • #行動変容
  • #プラスチック
環境省の海洋プラ問題解決キャンペーンが拡大
2019.01.28
  • ニュース
  • #行動変容
  • #プラスチック

News
SB JAPAN 新着記事

人と土地をつなぐ一次産業の力 世界農業遺産が開くウェルビーイング
2026.08.05
  • インタビュー
  • スポンサー記事
Sponsored by 農林水産省
  • #ウェルビーイング
  • #地方創生
  • #リジェネレーション
「お得」がフードロス削減に 60万人登録アプリ、Too Good To Go日本急拡大の理由
2026.08.03
  • ニュース
  • インタビュー
  • #フードロス
  • #資源循環
キリン「一番搾りACTION」で食の生産者支援 旗艦ブランドでCSV経営深化へ
2026.07.30
  • ニュース
  • #パートナーシップ
  • #ステークホルダー
  • #ブランド戦略
WEFが選ぶ新興テクノロジー10選 次世代電力網やPFAS分解に注目
2026.07.29
  • ニュース
  • ワールドニュース
  • #イノベーション
  • #テクノロジー

Ranking
アクセスランキング

  • TOP
  • ニュース
  • 東京・渋谷にシェア傘1000本、使い捨て傘の削減へ