• 公開日:2018.10.17
都市河川ごみの86%がプラごみ―環境ベンチャー分析
  • 瀬戸内千代

ピリカの小嶌社長とアルバトロス5号機

海洋ごみ問題の解決を目指す環境ベンチャーのピリカ(東京・渋谷)は10月12日、都市の河川や港湾に浮くごみの内訳を国内外38カ所で調べた結果を公開した。船が入れない水路や流れのない湾でも一定条件の調査ができるモーター付きのろ過装置「アルバトロス5号機」を開発し、固形物を採取した。分析の結果、86.4%がプラスチックだったことが判明し、23.0%を占めた最多のプラごみは、人工芝の破片だったという。(瀬戸内千代)

アルバトロスはアホウドリ(オキノタユウ)の学名。海鳥は、プラごみで満腹になり餓死したり、汚染プラ由来の有害物質を体内に蓄積したりするなど、砕けたプラごみの悪影響をすでに受けている動物の代表例である。

ピリカは、2018年5月から9月にかけ、アルバトロス5号機を使って、3カ所の海外地点を含む計38カ所の河川と湾岸で、初の「国内外の河川/港湾におけるマイクロプラスチック等の浮遊状況調査」を実施した。

大きなごみは採取頻度が低いため、小さなごみを対象とした。また、厳密にミリ単位のごみに限定すると作業量が増えコストがかさむため、おおまかに約2センチメートル以下のごみを集め、「マイクロプラスチック等」とした。

砕けたプラごみは貝殻片などと紛らわしいため、東京理科大学や東京工業大学の協力を得て、回収した計1070個の固形物を分光光度計などで分析した。

その結果、1カ所を除く37地点で川や港湾の水にプラスチック片が含まれていた。成分分析で人工芝と推定されたごみの次に多かったのは、固形物の16%を占めた白色半透明で粘着性のごみ。汚れが激しく成分は未特定だが、レジ袋由来とみる意見もあるという。

ピリカの小嶌不二夫(こじま・ふじお)社長は、「対策より先に実態把握が必要だが、あまり時間はかけられない。流出経路や製品(発生源)を絞り込むために調査を拡大したい。その際、コストが問題になるので、バケツや水中スクーターなど既製品を組み合わせてアルバトロスを製作した」と語った。

written by

瀬戸内千代(せとうち・ちよ)

海洋ジャーナリスト。雑誌「オルタナ」編集委員、ウェブマガジン「greenz」シニアライター。

1997年筑波大学生物学類卒、理科実験器具メーカーを経て、2007年に環境ライターとして独立。自治体環境局メールマガジン、行政の自然エネルギーポータルサイトの取材記事など担当。2015年、東京都市大学環境学部編著「BLUE EARTH COLLEGE ようこそ、「地球経済大学」へ。」(東急エージェンシー)の編集に協力。

Related
この記事に関連するニュース

都市の森は何を変えたのか――「大手町の森」が示す自然資本の可能性
2026.10.26
  • ニュース
  • #気候変動/気候危機
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
  • #生物多様性
「採択」から「通信簿」へ  生物多様性COP17、企業が注目すべき3つの論点
2026.10.19
  • ワールドニュース
  • #生物多様性
世界農業遺産「にし阿波」 斜面を耕す知恵が企業と地域をつなぐ
2026.10.19
  • インタビュー
  • スポンサー記事
Sponsored by 農林水産省
  • #ウェルビーイング
  • #地方創生
  • #生物多様性
世界の土地回復は2030年目標の10%にとどまる IUCN報告書
2026.10.15
  • ワールドニュース
  • #気候変動/気候危機
  • #生物多様性

News
SB JAPAN 新着記事

日本のB Corpが100社到達 10周年イベントでシステムチェンジの方策探る
2026.10.29
  • ニュース
  • #パートナーシップ
  • #人権
  • #ブランド戦略
AI時代のサステナビリティ情報開示 企業の情報開示は「本質」を伝えられるか?
2026.10.28
  • スポンサー記事
Sponsored by SUSCOM
  • #情報開示
  • #DX/デジタル
  • #ESG投資
Sinc × GLIN Impact Consulting、業務提携を締結
2026.10.26
  • ニュース
  • #情報開示
  • #パートナーシップ
  • #ブランド戦略
都市の森は何を変えたのか――「大手町の森」が示す自然資本の可能性
2026.10.26
  • ニュース
  • #気候変動/気候危機
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
  • #生物多様性

Ranking
アクセスランキング

  • TOP
  • ニュース
  • 都市河川ごみの86%がプラごみ―環境ベンチャー分析