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「家庭の余剰な食品を必要な人に」イオンが取り組み

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イオン傘下で総合スーパーを展開するイオンリテール(千葉市、岡崎双一社長)はこのほど、家庭で余剰の食品を回収し、食料支援が必要な人に届ける「フードドライブ」を神戸市内の全7店舗で取り組むと発表した。毎月実施し、ここで得られるノウハウを基に実施可能な他地区へ活動を拡大する。イオンはフードロス(食品廃棄物)への取り組みに積極的で、昨年10月にグループ全体の食品廃棄物を2025年までに半減させる目標を掲げている。(オルタナ編集部=中島 洋樹)

日本は国民1人あたりのフードロスは世界ワースト1位と、深刻な問題となっている。イオンリテールが立ち上げた「フードドライブ」では、家庭で余剰となった食品を実施店舗に持ち込んでもらい、認定NPO法人フードバンク関西(神戸市)を通じて、兵庫県内の福祉団体や施設などに寄付する活動だ。

実施店舗は神戸市内のイオン・イオンスタイル全7店舗(イオン神戸北店・つくしが丘店・藤原台店・垂水店・ジェームズ山店、イオンスタイルumie店・神戸南店)で、2018年6月から毎月第2月曜から翌日曜までの7日間に所定場所に回収ボックスを設置して行われる。

回収対象食品は、外装が破損していない未開封で、賞味期限が1ヵ月以上残っているもの。常温保存が可能なもの(冷蔵・冷凍食品は対象外)で、製造者または販売者表示・成分またはアレルギー表示があるものとなっている。みりん・料理酒を除くアルコール類や手作り品は対象外だ。

食品を扱うことから、発送するイオンリテール側、受け取るフードバンク関西側の双方で、対象外製品や賞味期限が合致しないものが含まれていないかダブルチェックを行う。イオンリテールは、回収した食品が対象の福祉団体や施設に配布が行われているか、フードバンク関西から定期的に報告を受け、トレーサビリティを確保するとしている。

実施にあたり、神戸市、イオンリテール、フードバンク関西の各担当者は市庁舎で毎月定例の打ち合わせを行い、随時取り組みの改善をはかっていくという。

今回、神戸市での実施について、イオンリテール 近畿カンパニー・神戸事業部の後藤千尋部長は、「自治体がフードドライブへの取り組みに積極的で、かつ実施にあたり、複数年の経験を持つフードバンク関西と連携できること」を実施理由として挙げている。また、この活動を単発で終わらせず、継続的な取り組みとすることに重点をおいているという。

後藤部長は「フードドライブは食品を扱う側面から、自治体やNPO法人との協働でないと実施は難しい。他地区への活動を拡大するためには、実施する地区の自治体の理解や、その地区で活動するNPO法人としっかり連携がはかれるかがカギとなる」と語った。

イオンは、自社CSR活動の一環として、昨年10月にグループ全体の食品廃棄物を2025年までに半減させる(2015年を基準として換算、2015年:売上100万円あたり食品廃棄量35.6㎏を2025年:売上100万円あたり食品廃棄量を17.8㎏へ削減)方針を発表している。今回のフードドライブを通じて、顧客にフードロスへの注意喚起を行い、賞味期限に対して再認識してほしいとしている。

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中島 洋樹(なかじま・ひろき)

株式会社オルタナ オルタナ編集部
2018年4月オルタナ入社。入社1ヵ月弱でCSR検定3級合格。趣味は高校野球観戦、絵画鑑賞、テニス、ビリヤード、サイクリング、ウォーキング、国内旅行など広範囲におよび、特技はカラオケ(レパートリーは50曲以上)。好奇心旺盛で、編集のオールラウンダーを目指す。

「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。