• 公開日:2016.12.09
  • 最終更新日: 2025.03.21
ミレニアル世代にはアウトサイドインでアプローチ

    「社会課題と事業をつなぐ―CSRと人材育成としてのスタディツアー」を講演する松井氏(12月9日、東京ビックサイト)

    「エコプロ2016――環境とエネルギーの未来展」が8日から東京ビッグサイトで始まった。サステナブルブランド・ジャパンのブースでは最終日の10日までの3日間、SBJコラムニストが登壇するスペシャル・セッションを開催している。

    9日の14時15分からは、エイチ・アイ・エスの松井健二・ソーシャルソリューション事業担当が登壇した。同社で行う社会貢献活動について紹介した。同社では2009年にスタディツアーに特化した社会貢献関連事業部を設立。同社は未来創造企業というコンセプトを掲げ、スタディツアー以外にも、ハウステンボスでの農業支援や太陽光発電の取り組みなどを行う。(オルタナ編集部=池田昌隆)

    スタディツアーを「学びの学校」とし、人材育成や社会貢献活動を位置付ける。同ツアーを成功させるためには、5つの秘けつがあると言う。その5つとは、「安心・安全」、「対象者を絞る」、「社会に有益」、「欲求をくみ取る」、「あなたらしさ=差別化」。

    左から、ミレニアル世代へのマーケティングについてディスカッションする森編集長、鮫島氏、西村部長(12月9日、東京ビックサイト)

    15時からは、サステナブル・ブランドの事例セッションが行われた。パネリストとして登壇したのは、エイチ・アイ・エスの鮫島卓・ソーシャルソリューション事業担当と中越パルプ工業の西村修・営業本部営業企画部長の2人。ファシリテーターは森摂・オルタナ編集長が務めた。

    中越パルプ工業は年間100万トンの紙を生産する製紙会社。日本唯一国産竹から紙をつくっており、この取り組みを進めているのが、西村部長だ。1998年から生産を始め、今では年間2万トンの竹を紙に活用している。

    パネルディスカッションでは、ミレニアル世代へのマーケティングについて話し合った。鮫島氏は、「ツアーを企画するとき、プロダクトアウトで考えていたが、若者によりマッチングさせるために、アウトサイドインの発想に変えた」と話した。

    さまざまなステークホルダーとのつながりを持つことの大切さを強調した。同社では、スタディツアーで学ぶ社会的課題を決めるために、NPOなどとパートナーを組む。「観光業以外のセクターとネットワークを築き、企画を考えていく」。

    西村部長は、「新素材を出したときに、信頼されやすい」と、社会貢献活動の効果を話す。同社は、B2B企業。「一般的にはブランディングは必要ないと考えられているが、これからはB2Bでもブランディングすべき」。

    「日本初!SDGsをカードゲームで体感する」を講演する稲村代表理事(12月9日、東京ビックサイト)

    16時からは、SDGsをカードゲームで理解する「2030 SDGs」を開発した一般社団法人イマココラボの稲村健夫代表理事が登壇した。このゲームは、お金と時間を表すカードを使って、プレーヤーの人生の目標を達成していくことを目指す。

    ゲーム開始時に、それぞれのプレーヤーは人生の目標を決め、その目標を叶えるために、活動する。活動の影響で、経済・環境・社会が良くも悪くもなる。ゲーム終了時に、経済・環境・社会がどのようになったのかを振り返る。

    稲村理事は、「ゲームだから自分の判断次第で世界が壊れる。終わったとき、結果を振り返って、本当に世界はこれで良いのかを考え合ってほしい」と話した。

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