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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Brands, PBC)
コミュニティ・ニュース

生命の根源を実感したSBバンコク開催

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サステナブル・ブランド ジャパン編集局
Intage Thailand リサーチ・ダイナミックスのマネージング・ディレクター Dangjaithawin Anantachai氏のセッション

さる10月12-13日に開催された「サステナブル・ブランド国際会議2018バンコク」に帯同することができた。
サステナブル・ブランド国際会議は、世界各都市の市街地やコンベンションセンターなどで開催されることが通例化しているが、今年のバンコクは、市街地のスクンビットから30分程、川向うの自然保護区、バーン・カチャオの森での開催であった。
土、水、木々に囲まれたそのロケーションは、まさに「Good life」として、人、地球、社会、産業、コミュニティ、教育、人権など、すべての生命の根幹を実感し“あり方”を再設計・再構成・再創生(redesigning)する好機となっていた。(山岡 仁美=グロウス・カンパニー+ 代表取締役)

京都京北地方の再創生を成した里山デザインの中山慶氏

ジャパンセッションとして、サントリーホールディングス、積水化学の2社が「水」を取り上げたことはもとより、日本人では、京都京北地方の再創生を成した里山デザインの中山慶氏、持続可能な新たなエネルギーのデザイン化を推進するオオニシタクヤ氏がスピーカーとして招かれていたことも然りである。

中山氏は、京都京北の文化・歴史・田園・自然を最大限に活かし持続可能を実現したイノベーターとして、オオニシ氏はバーン・カチャオにおけるコミュニティの再設計においての技術の最適化のハンドラーとして、参加者を巻き込んだ有意義なセッションで、確実にインフルエンサーとなっていた。

持続可能な新たなエネルギーのデザイン化を推進するオオニシタクヤ氏

セッション、ワークショップ、アクティベーションハブ、スピーカー陣、ロケーション、運営スタッフ、すべてを通して多くの刺激と学びを得たバンコク開催の中で、優劣を図るのは難しいが、その中で印象に濃いものを2つ挙げてみよう。

1つは、地元タイからのスピーカー、Intage Thailand、リサーチ・ダイナミックスのマネージング・ディレクターDangjaithawin Anantachai氏のセッション「How Thais Define “Good”」(“良い”ってどういうこと)から。
彼女のセッションでは、タイ国内でのリサーチ結果から、より健康、よりシンプルなライフスタイルが価値あることとなりつつある傾向や、SDGsに向けて何らかの変化を感じている人が半数近くいるなどの紹介がされ、“Good life”の方向性が示唆されていた。そして、結論付けられるかのように、使命も役割も、職業も雇用も、愛も情熱も、すべての存在理由が「イキガイ」という普遍的な日本語で示されたのである。

John Izzo氏

また、2つ目は、ベストセラー作家でもあり、持続可能社会のための提唱者、主にアメリカ、カナダで活躍するJohn Izzo氏による「Redesigning The Good Leader」(良いリーダーを再設計する)。
コーポレートアドバイザーでもある彼のセッションは、持続可能性を目指すリーダーとして実在の経営者の弁やコーポレートビジョンの事例紹介が主であったので、中には、既に知っているものも多く含まれていた。しかしその中で、あらためて響くフレーズがあった。
それは「Time Frame  Short⇒Long、Now⇒Legacy」。言ってみれば、時間軸は大きく変わった、短期的ではなく長期的へ、今ではなく後世へ」という意味であろう。もちろん、それは決して、長期的に後世へとのんびり取り組むという概念ではなく、その真逆で、目先や足元ばかり見ずに、未来を紡ぎ後世までを持続可能にするという意味であることは間違いない。

このような2点から、あらためて、SBJでも注力するアウトサイドイン(社会課題起点)で、バックキャスト(未来基軸)のソリューションが緊急課題であることが最認識でき、合わせて、その核に、すべての人のイキガイになる存在理由が明確に必要なのだと痛感する。だからこそ、持続可能性(サステナブル)を掲げるのみにならず、価値創造(ブランド)が肝要なのだ。

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