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「大切にしたい会社大賞」に萩原工業など15社が受賞

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坂本光司・法政大学大学院教授

人を大切にする経営学会は27日、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」を発表した。8回目となる今年は15社が受賞。経済産業大臣賞には、岡山県倉敷市の合成樹脂繊維メーカーの萩原工業が選ばれた。社員の雇用と生活を第一に考え、リストラをしない経営姿勢や月間の所定外労働時間が平均7時間というポイントが受賞の要因となった。(辻陽一郎)

同学会は「人を幸せにする経営」をしている会社を1社でも増やしたいという思いを込め、毎年大賞を実施している。同賞の特長は厳しい応募資格だ。過去5年以上、障がい者雇用が法定雇用率であることや、リストラをしていないことなど5つの条件をクリアする必要がある。

審査のポイントの一つには時間外労働があるという。今回経済産業大臣賞となった萩原工業は1カ月間の時間外労働が短かったことも評価された。坂本光司・法政大学大学院教授は「所定外労働は家族の団らんの時間を奪うことになる。大賞の会社では10時間以下がほとんど」と話した。

特に従業員を大切にしていると認められる会社を選ぶのが厚生労働大臣賞。携帯電話の卸売・販売のコネクシオ(東京・新宿)が選ばれた。

受賞理由は「4年前から働き方改革に取り組んでいて、4年間で非正規社員2000人を正規社員化した。障がい者雇用では全国平均を超える2.43%と高い点も評価した」という。

中小企業基盤整備気候理事長賞の食品包装資材を扱う吉村(東京・品川)も障がい者雇用に熱心に取り組み、雇用率は4.0%だ。

今回選ばれたのは全部で15社。どの会社も正社員割合が高く、離職率も低いなど、人を幸せにする経営が行われている。坂本教授は「社員の残業時間が長かったり、有給休暇の取得率が低かったりする会社もある。人を大切にすることはハートだけでなく、実態の面でも施策を講じてほしい」と述べた。

辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

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