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ラスベガス市長の経験生かし責任あるカジノ目指す――ジャン・ジョーンズ・ブラックハースト シーザーズ副社長

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米国を中心にカジノ・ホテルチェーンを展開するシーザーズ・エンターテインメントのジャン・ジョーンズ・ブラックハースト副社長は「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」に登壇し、「経済成長と地域社会との共生」と題して講演した。同氏は米国のラスベガス市長を2期務めた経験を持つ。その経験をどのように事業に生かしているのかについて、具体例を交えて紹介した。(オルタナ編集部)

ブラックハースト副社長は、2期(1991年~1999年)ラスベガス市長を務めた。90年代は米国においても都市が急速に拡大した時期であり、人口や観光客の数も大きく増加した。

そうしたなかで、ブラックハースト副社長が重視したのは「コミュニティにおける関係づくり」だった。女性や高齢者、性的マイノリティ、ホームレスといった人びとのコミュニティにおけるパートナーシップを支援し、人材開発や企業誘致に力を入れることで、民間および公共事業の推進をはかったという。

こうしたコミュニティの強化・拡大といった学びは、シーザーズの事業運営にもつながっているとのことだ。

シーザーズでは、「PEOPLE PLANET PLAY」という行動規範を定めている。これについてブラックハースト副社長は「従業員や顧客が、健康で充実した満足できる事業を実現すること。カーボンフットプリントの低減など環境に配慮していくこと。そして節度のあるゲーミングを提供していくこと」と説明した。

同氏が市長の時代から力を入れてきたのが、ジェンダー平等の実現だ。シーザーズでは、2025年までに、男女間の賃金格差をなくしていくという目標「フィフティフィフティ・バイ・2025」を掲げている。マネジャーやディレクター、役員クラスなど各レベルにおける賃金格差や昇進、採用などの面での格差を是正していく取り組みだ。

ブラックハースト副社長はさらに、同社が進める「レスポンシブル・ゲーミング(責任あるギャンブル)」について紹介した。カジノの運営に関しては、ギャンブル依存症や未成年者のギャンブル、治安の悪化などが深刻な社会的問題となってきた現状があり、そうした問題に対する取り組みだ。

同社では、特別のトレーニングを受けた「レスポンシブル・ゲーミング・アンバサダー(責任あるゲーミング推進の担当者)」を計1000人以上配置し、利用者が節度あるギャンブルを行えるよう支援しているという。

こうした取り組みを紹介した上でブラックハースト副社長は、「シーザーズのカジノでギャンブルをする人は、節度ある正しい利用、すなわち娯楽・楽しみのために行ってほしい」と主張した。