• 公開日:2019.03.18
持続可能性を実現する5つのポイントとは――マーク・リー サステナビリティ社エグゼクティブディレクター

企業の持続可能性に関するコンサルティングなどを手掛けるサステナビリティ社のマーク・リー エグゼクティブディレクターは「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」に登壇し、持続可能なビジネスに向けたリーダーシップについて講演した。将来の持続可能なビジネスに向けて、「目的」「計画」「文化」「コラボレーション(協働)」「アドボカシー(提言)」の5つのポイントが重要になると述べた。(オルタナ編集部=堀理雄)

リー ディレクターは20年におよぶ調査に基づき、3人の共著で著書『All In: The Future of Business Leadership』(『オールイン』)を執筆した。1997年から2017年頃にかけて、世界の70~80社のCEOやCSO(サステナビリティ責任者:Chief Sustainability Officer)にインタビューした結果を分析した内容だ。

リー ディレクターは現代社会について、気候変動や食料不足、移民など人々の移動、政府の腐敗など、不確実性の高い時代だと指摘。そのなかで企業がサステナビリティに向けてどのようにアジェンダ(課題)を設定すべきかという調査の問題意識を紹介した。

企業のサステナビリティに向けた時代区分として、1997~2005年を、いかに害を低減するかという時代、2006~2015年を戦略的な統合の時代、2016年以降は目的・存在意義(パーパス)を模索する時代、と3つに区分。その上で、将来重要となる5つのポイントについて、企業事例など具体例を交えて解説した。

1つ目は、その企業が何のためにあるのかという「目的(パーパス)」だ。リー ディレクターは「パーパスは時代に合わせて進化させていく必要がある」と指摘。具体的な企業として、イケアなどが「サステナブルな生活」についてより明確に定めるようになっている点を紹介した。

2つ目は、目的に向かって具体的にビジネスモデルをどう変えていくかという「計画」。マークス&スペンサー(M&S)がCSR戦略として2007年に立ち上げた「プランA」などに触れ、社内外に大きなインパクトを与えた事例として紹介した。

3つ目は、そうした目的や計画を、文化や社会的な状況の中でどのように進めていくのかという「文化」だ。登山やアウトドアのブランドであるパタゴニアは、山に行くことと温暖化や地球環境へのコミットを結びつける形で文化を変えていると指摘した。

4つ目は、より大きなスケールで進めていくための「コラボレーション」。ユニリーバなどの取り組みに触れ、社会だけでなく、会社にとっても価値につながっていると指摘した。

5つ目は、やるべきことを発言していく「アドボカシー」。リー ディレクターは、自社の利益に結びつけるロビーイングだけでなく、社会の利益に結びつけてルールを変えていく視点が重要だと指摘。カーペット業界大手のインターフェイス社の取り組みを紹介した。

リー ディレクターは、「サステナビリティにはリスクもあり、『オールイン』(全体的にコミットすることと、すべてを賭けるという2つの意味がある)というタイトルでそれを表現した」と述べた上で、「サステナビリティは事業として成功するためにも必須になってきている。特にリーダーシップでは長期的な視点が重要だ」と結んだ。

Related
この記事に関連するニュース

「社会を動かすエンジンに」 報道畑出身のCSOが語るTBSのサステナビリティ
TBSホールディングス
2026.09.14
  • インタビュー
  • #再生可能エネルギー
  • #ウェルビーイング
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
変化を迎えたサステナビリティ情報開示の規制環境 財務部門との連携がカギ
2026.09.10
  • ワールドニュース
  • #情報開示
  • #ブランド戦略
  • #ガバナンス
「非財務ではなく未財務」東京ガスCFOが語るサステナビリティと資本効率の両立
東京ガス株式会社
2026.08.31
  • インタビュー
  • #ファイナンス
  • #ESG投資
  • #ガバナンス
人と土地をつなぐ一次産業の力 世界農業遺産が開くウェルビーイング
2026.08.05
  • インタビュー
  • スポンサー記事
Sponsored by 農林水産省
  • #ウェルビーイング
  • #地方創生
  • #リジェネレーション

News
SB JAPAN 新着記事

nestが富山・黒部のYKK APでフィールドワーク 「窓」から未来の暮らしを設計する
2026.09.28
  • SBコミュニティニュース
  • #気候変動/気候危機
  • #テクノロジー
日本は欧州外でトップに 「環境パフォーマンス指数」から見えた強みと課題
2026.09.25
  • ワールドニュース
  • #気候変動/気候危機
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
  • #生物多様性
「環境危機時計」9時39分が示す地球の危機――企業が、市民が今選ぶべき次の行動
2026.09.24
  • ニュース
  • #気候変動/気候危機
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
  • #生物多様性
「未来が拍手することを、今。」ネスレ日本のサステナビリティ経営
2026.09.17
  • スポンサー記事
Sponsored by 三井化学株式会社
  • #再生可能エネルギー
  • #気候変動/気候危機
  • #カーボンニュートラル/脱炭素

Ranking
アクセスランキング

  • TOP
  • ニュース
  • 持続可能性を実現する5つのポイントとは――マーク・リー サステナビリティ社エグゼクティブディレクター