• 公開日:2018.03.20
「障がい」を「価値」に変える――ミライロ 垣内俊哉社長

SB 2018 Tokyo

(撮影・福地波宇郎)

「生きることを何度もあきらめようとした。生まれたことを不幸に思っていた」――。「サステナブル・ブランド国際会議2018東京」の1日目、車いすで登壇したミライロの垣内俊哉社長は、ウェルカムスピーチをこう始めた。「それでも、視点を変えると少しずつ変わっていった。『障がい』は『価値』に変えられるはず」。そう語る垣内社長の言葉は会場に響きわたった。(オルタナ編集部)

垣内社長は「骨が弱く折れやすい魔法にかけられ」、これまでに骨折を20回以上、手術を10数回経験してきたという。

「学校、運動会、修学旅行に行けない。障がいがなかったら、普通だったら――。足で歩けるようになることをずっと願ってきた」(垣内社長)

大学生時代、ウェブの制作会社でアルバイトをしたところ、営業成績が一番になった。垣内社長は「車いすに乗っていることで、多くの人に覚えてもらえた。見方を変えれば、障がいが価値になることに気付いた」と話す。

こうして障がい(バリア)をバリュー(価値)にする「バリアバリュー」を企業理念に掲げ、2010年、20歳のときに友人とミライロ(大阪市)を設立した。

「バリアをバリューとして受け止めていく。そうした未来が実現できたら」(垣内社長)

垣内社長は、社会には「環境のバリア」「意識のバリア」「情報のバリア」の3つがあると言う。ミライロでは、ユニバーサルマナー検定の運営や、ユニバーサルデザインのコンサルティングなどを通じて、これらのバリアを解消し、多くの人が安全に暮らせる社会を目指す。

垣内社長は「続けていくには、経済活動として取り組む必要がある。社会性と経済性の両輪があってこそ持続可能になる。高齢化先進国である日本だからこそ、世界をリードする取り組みを進めていきたい」と力を込めた。

Related
この記事に関連するニュース

オードリー・タン氏が語る「テクノロジーは社会の分断をどう乗り越えるか」
2025.10.21
  • ニュース
  • #人権
  • #テクノロジー
  • #ダイバーシティー
「大丸有SDGs映画祭2025」が開幕 多様性・AI・戦後80年を映す13作品を上映
2025.10.06
  • ニュース
  • #人権
  • #ダイバーシティー
  • #人的資本経営
「いないことにされてきた家族」を可視化する 映画『ふたりのまま』長村監督に聞く
2025.09.19
  • ニュース
  • #人権
  • #ダイバーシティー
【続・ビジネスと人権コラム】第1回 人権尊重に取り組むと何か“良いこと”があるの?
2025.09.08
  • コラム
  • #人権
  • #ダイバーシティー

News
SB JAPAN 新着記事

ESG規制緩和に潜むリスクを見逃すな――肝となるサプライチェーン5つの戦略
2025.10.31
  • ワールドニュース
  • #サプライチェーン
  • #ESG投資
自然との新しい契約 IUCN世界自然保護会議アブダビ大会から見えた企業と自然の未来
2025.10.30
  • ワールドニュース
  • #生物多様性
ESG情報開示を支えるデジタル基盤「UL 360」とは――UL Solutions の織戸香里氏に聞く
2025.10.29
  • インタビュー
  • スポンサー記事
Sponsored by UL Solutions
  • #情報開示
  • #DX/デジタル
  • #サプライチェーン
  • #ガバナンス
再生エネ拡大は、脱炭素と化石燃料の輸入削減を同時に実現する優れモノ
2025.10.28
  • ニュース
  • #再生可能エネルギー

Ranking
アクセスランキング

  • TOP
  • ニュース
  • 「障がい」を「価値」に変える――ミライロ 垣内俊哉社長