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7割超が「社会課題関心ある」:ミレニアル読者調査

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SB2019Tokyo

セッション「消費者調査からみる日本におけるグッドライフ戦略のリ・デザイン」。左からファシリテーターの江戸克栄氏、ハーチの加藤佑氏、インテージの三浦ふみ氏、講談社の関龍彦氏

「サステナブル・ブランド国際会議 2019 東京」では「消費者調査からみる日本におけるグッドライフ戦略のリ・デザイン」と題したセッションが行われた。消費者調査や読者調査を基に、特に女性や若い世代に着目し、SB国際会議の共通テーマでもある「グッドライフ」に関するブランド戦略について意見交換が行われた。ミレニアル・Z世代が多くを占めるウェブ読者アンケートでは、7割超が社会課題に「関心がある」との結果も紹介された。(オルタナ編集部)

セッションは、講談社第二事業部ファッション・ビューティ編集部の関龍彦・「FRaU」プロデューサー、ハーチの加藤佑社長、インテージ マーケティング部の三浦ふみ部長が登壇。県立広島大学大学院経営管理研究科ビジネス・リーダーシップ専攻長の江戸克栄教授がファシリテーターを務めた。

社会を良くするためのアイデアを集めたウェブメディアIDEAS FOR GOODを運営するハーチの加藤氏は、10代から30代のミレニアル・Z世代が多くをしめる読者へのアンケート調査の結果を紹介した。

調査では、社会課題への関心を問う設問について「ある」という回答が多くをしめた(6段階評価で上位2段階の「大変ある」「ある」が合計で77%)。また就職の際に、その企業が社会課題解決に積極的かどうかを意識するかという設問では、同じく「大変意識する」「意識する」の回答が計67.3%と多数派だった。

加藤氏は、「ミレニアル・Z世代の消費者に愛されるブランドコミュニケーションで重要なのは、『パーパス』『デザイン』『オーセンティシティ(真正性、ありのままの意)』の3点だ」と指摘した。

マーケティングリサーチを行うインテージの三浦氏は、日本、米国、インド、インドネシアの4カ国で20~30代の働く女性を対象にした調査の結果を紹介した。5年後どういう自分でありたいかという設問への回答について、日本の女性で多く出された価値観は「心に余裕を持つ」「ゆったり」「楽しみながら」「自分らしく」「無理はしない」といったものだった。

三浦氏は近年のブランディングで重視される傾向が「イメージ」から「リレーションシップ」へと移ってきていると述べる。「商品の提供価値として、機能やサービスだけでなく、経験や体験が重視されるようになってきた。次に来るのは『変革』。ブランドとの出会いで自分の生活にポジティブな変革が起きることが重視されるようになる」と述べた。

講談社で発行する女性誌「FRaU」では昨年12月、1冊丸ごとSDGs(持続可能は開発目標)特集号を発行した。特集のきっかけについて、同誌プロデューサーである関氏は、SDGsの認知率が14.8%と低く、特に30~40代はそれ以下の割合だったことへの危機感をあげた。

特集号ではSDGsを「世界からのポジティブな宿題」と捉え、「今日からできる、100のこと。」というページでは、「野菜は皮まで調理して無駄なく食べる」「洗濯も食器もある程度まとめて行う」といった100の行動を紹介した。

関氏は「遠い国や大きなできごとから、だんだんと自分の身近なところに結びつけていく構成で編集した。SDGsをどれだけ自分に身近なものとして捉えられるかが重要だ」と指摘。その上で以下のように話した。

「読者からこれまでにない大きな反響があった。本を出して終わりではなく、趣旨に賛同頂いた企業や自治体などとともに、サステナブルなライフスタイルを発信するための交流の場づくりをしていく」

江戸氏は「30~40代のミレニアル世代は、実は大きなポテンシャルを持っており、グッドライフ戦略を考えていくうえでも重要な存在ではないか。セッションで出された論点を踏まえ、女性、ミレニアルといった視点に着目しながら、調査研究を続けていきたい」と述べた。