「企業の姿勢が伝わるコミュニケーション」とは
SB2019Tokyo
セッション「姿勢が伝わるコミュニケーション」。左から電通の木下舞耶氏、凸版印刷の亀井光則氏、ポーラの望月亮氏、ファシリテーターの足立直樹氏。
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サステナブル・ブランド国際会議2019東京のセッション「姿勢が伝わるコミュニケーション」では、ポーラ、凸版印刷、電通の3社が登壇。企業の姿勢をより深く伝えるためのコミュニケーションのあり方、社会問題の伝え方などについて議論した。(オルタナ編集部)
SB東京サステナビリティ・プロデューサーで、レスポンスアビリティの足立直樹代表は「日本企業は発信することが苦手で、控え目な印象がある」と指摘する。そのうえで、「せっかくサステナビリティに取り組んでいるのだから、ぜひ情報発信してほしい。企業の姿勢が伝わるコミュニケーションとは何か、議論していきたい」と話した。
セッションの冒頭では、ポーラが2016年に展開したビューティディレクター募集のCMが紹介された。「この国は、女性にとって発展途上国だ。(中略)大切なことは私自身が知っている。これからだ、私。自分という旗を立てよう」という言葉が印象的だ。
ポーラの市場接点開発部の望月亮部長は「創立時からポーラは女性の勇気で成り立ってきた」と話し、「女性はだれしも可能性を秘めている。自分らしく生きるための一歩を踏み出してほしい」という思いからCMを着想した。「社会を変えたい、正解を提示したいというよりも、こういう生き方はどうか、という問いを込めた」(望月部長)。社内でも賛否両論あったが、結果的に商品を使ってみたいといった反響は大きかったという。
凸版印刷トッパンアイデアセンタークリエイティブ本部エキスパートクリエイター亀井光則氏は、「社会問題について伝えたいクライアントが増え、どのように伝えたら良いのかといった質問が多くなってきた」と話す。高度な技術や精神疾患の問題などに携わった経験から、分かりにくいことを分かりやすく伝えるための「情報伝達の最適解」が、情報が多い現代において重要であると述べた。
電通PRソリューション局の木下舞耶クリエイティブ・プランナーは、世界最大の広告賞カンヌライオンズから学ぶクリエイティブテクニックを紹介した。「ブランドの社会問題に対する姿勢が60%の消費者の購買行動に影響を与えている。それに伴い、企業の広告も進化している」と話す。
2018年からは国連とパートナーシップを組み、SDGs(持続可能な開発目標)に関する部門ができた。社会問題の認知を促す広告の事例を挙げながら、木下プランナーは「可視化する」「データ化する」「置き換え」などのテクニックを紹介。企業が社会問題を発信していくことの大切さについても語った。