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国内外のリーダー含め参加者2000人超で盛況――サステナブル・ブランド国際会議2019東京

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(左から)CSOネットワークの黒田かをり事務局長、横河電機の古川千佳サステナビリティ推進室室長、P&Gのヴァージニー・ヘリアス グローバル持続可能性担当副社長

「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」(SB2019Tokyo)の2日目が3月7日、ヒルトン東京お台場(東京・港)で開かれた。サステナビリティ(持続可能性)とブランド戦略の統合をテーマにした同会議では、2日間で50を超える様々なセッションが行われた。講演者として国内外の企業やNGOのリーダー、専門家など約180人が集い、2000人以上の参加者が議論や交流を深めた。(オルタナ編集部=堀理雄)

ジェンダー平等で価値向上

「サステナビリティを会社の事業計画に組み込んでいくのは簡単ではない。周りを巻き込むときには自分にパッションがないといけない。しかし企業はパッションだけでは動かず、ロジックも必要。パッションとロジックの両方を持って(社内を)説得していくことが重要だ」

2日目冒頭のプレナリーに登壇した横河電機サステナビリティ推進室の古川千佳室長は、「持続可能な発展のための経済人会議」(WBCSD)が主催する2018年リーディング・ウーマン・アワードを受賞した。

「ウェルビーイングや良い生活(グッドライフ)の価値を数値化し、目標を達成したい。日本では、ジェンダーイクオリティー(男女平等)に貢献するための女性へのエンパワーメントが遅れている。女性が活躍することは男性にとっても良いことであり、全体の価値が高まっていく」

同じく同賞を受賞したプロクター&ギャンブル(P&G)のヴァージニー・ヘリアス グローバル持続可能性担当副社長は、「困難であっても正しい道を選ぶリーダーシップが重要。自分の組織に閉じこもることなく、長い目で業績を捉え、サステナブルな成長とグッドライフの実現に向け、恐れずに進んでほしい」と力を込めた。

ファシリテーターを務めたCSOネットワークの黒田かをり事務局長は2人の登壇者について、「自然体でサステナビリティを牽引する新しいタイプのリーダーではないかと感じる。若い世代のロールモデルになっているのではないか」と述べた。

ビジネスの根本を循環経済へ

ゼロ・ウェイストアカデミーの坂野理事長。この日は鯉のぼりの生地をアップサイクルして作った服を着て登壇した

ランチセッションの会場では、昨年11月に環境省が主宰する第6回グッドライフアワードで環境大臣賞最優秀賞を受賞したゼロ・ウェイストアカデミーの坂野晶理事長が講演した。

日本初のゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)宣言自治体である徳島県上勝町で、ごみを出さない社会形成を目指しリサイクル率81%を達成した取り組みを紹介。その上で「リサイクル率をさらに高め100%にしていくためには、リサイクルを前提とした製品作りが求められる。経済界がビジネスの根本モデルをサーキュラーエコノミー(循環経済)に変えていくことが重要だ」と提起した。

次回は横浜市で開催

セッション「サイエンス×テクノロジーで拓くサステナブルな未来」

午後には、ブランディングや自然エネルギー、地域連携やミレニアル・Z世代についてなど、多様なセッションが行われた。

「サイエンス×テクノロジーで拓くサステナブルな未来」では、サステナブルな社会を実現するために、科学や技術がどのように貢献できるのかが話し合われた。人とAIの関係性や、未来のニーズを生み出すために土台となる技術の必要性などについて活発な意見が交わされた。

「サーキュラーエコノミーへの挑戦(2)プラスチック問題」では、プラスチック製包装容器に関する最新の取り組みや、衣料品などを買ったお店で回収し、リサイクルする仕組みを全国的に展開する取り組みなどが紹介された。高校生を含め参加者から多くの質問が出され、議論を深めた。

次回の日本でのSB国際会議は、「SDGs未来都市」としても選定されている神奈川県横浜市で行われることが発表された。日程は2020年2月19日、20日の2日間だ。

セッションは多くの参加者で賑わった