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新たな価値観で「グッドライフ」のリデザインへ――サステナブル・ブランド国際会議2019東京

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NPO法人YouMe Nepalのライ・シャラド代表

2日間にわたる「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」(SB2019Tokyo)の初日が3月6日、ヒルトン東京お台場(東京・港)で開かれた。世界12カ国13都市で開催されている同会議の今年度の世界共通テーマは、「グッドライフの再構築(リデザイン)」だ。新たな時代の価値観の変化をとらえ、生活者の視点からどのようにグッドライフを実現できるのか、それに向けたブランドの役割などが議論された。(オルタナ編集部=堀理雄)

子どもたちの未来つくりたい

「ふるさとの友人の多くは、十分な教育を受けられなかったため、海外へ出稼ぎに出た。教育体制を整え、子どもたちの未来をつくり、自分の国であるネパールに恩返しをしたい」

NPO法人YouMe Nepalのライ・シャラド代表は会議冒頭のスピーチで、力を込めた。シャラド代表は、故郷であるネパールの友人たちが十分な教育を受けられないために、出稼ぎ先で過重な労働を強いられている現実を知り、教育体制の構築に尽力している。

2011年に自身の故郷の村に小学校を開校。2017年にネパール第2の都市であるビラトナガルに2校目を開校した。現在360人の子どもが学校に通っている。教育マネジメント体制の改革を進めるプロジェクトを推進している。

「学校に通う子供たちに、色々な世界を見てほしい。そして必ず自分の国に帰ってきてほしい」

一人ひとりの行動が組織を変える

多くの参加者で会場は満席となった

SBは、経営の根幹にサステナビリティ(持続可能性)を取り入れ競争力とブランド価値を高める取り組みで、2006年に米カリフォルニア州で国際会議がスタートした。日本では2017年に博展主催で第1回を開催し、今回で3回目。2日間で国内外の企業やNGOのリーダー、専門家など180人以上が登壇する。

個々の企業や団体だけでは達成が難しいSDGs(持続可能な開発目標)に対して、組織や企業、国境の枠を越えた交流の場を提供し、参加者同士が未来のイノベーションを生み出すプラットフォームの創出を目指している。

サステナブル・ライフ・メディアのコーアン・スカジニアCEO

SB国際会議を主宰するサステナブル・ライフ・メディアのコーアン・スカジニアCEOは「自分自身が変わっていくこと。それを通してリーダーシップや組織を変えていくことが必要。ブランドは自分自身が世界に語りかけることであり、一人ひとりが消費者や生活者として行動していくことが、私たちのグローバルなコミュニティづくりにとって重要だ」と述べた。

世代や国の垣根越え交流

セッション「ビジネスのリ・デザインで本当の姿が見える」

午後に開催されたセッション「ビジネスのリ・デザインで本当の姿が見える」では、プロダクト(製品)や、ブランドの内部・外部で変革を行った国内外の具体的な取り組みが報告された。終了後もパネリストや参加者を交え質疑応答が続き、関心の高さがうかがわれた。

ワークショップ「分断を乗り越えるサステナブルな組織づくり」では、人身売買など子どもをとりまく暴力をなくすNPO法人かものはしプロジェクトの取り組みが紹介され、いかにサステナブルな組織開発を進めるか、その「how」をめぐり参加者とともに意見交換がなされた。

そのほか、ESG投資やサーキュラーエコノミー、ブランディングやイノベーションの最新事例などについて、活発な議論が行われた。大学生や高校生を含め幅広い世代が参加し、また国籍の垣根を超え活発な交流が行われた。

会議の冒頭には、音楽家の坂本龍一氏からビデオメッセージが寄せられた