
2月18日・19日に開催される「サステナブル・ブランド国際会議 2026 東京・丸の内(SB’26 東京・丸の内)」。この会議は、企業や団体のサステナビリティリーダーが集う議論の場であると同時に、イベント運営そのものを通じて最新のサステナブルなソリューションを提示する社会実装の場としての側面も持っている。
大規模なイベントには、参加者の移動に伴うCO2排出や廃棄物の発生など、避けては通れない環境負荷が存在する。また、多様な背景を持つ参加者が集まる中でのアクセシビリティの確保も重要な課題だ。今回のSB’26 東京・丸の内では、趣旨に賛同したパートナー企業の協力により、これらの課題に対応。運営を支える取り組みを紹介する。
音声認識テクノロジーで「対話の壁」を取り払う
まず、会場におけるDEI(多様性、公平性、包括性)の観点で注目したいのが、アイシンの協力だ。同社は世界トップクラスの自動車部品メーカーとして知られるが、近年は誰もが自分らしく生きられる社会づくりを支援するライフソリューションにも力を入れている。
今回、会場となる東京国際フォーラムの受付やアクティベーションハブには、同社の音のバリアフリー化支援システム「YYSystem(ワイワイシステム)」が導入される。設置された透明ディスプレイに音声認識テキストがリアルタイムで表示されることで、耳の不自由な方や言語の異なる外国人参加者との円滑なコミュニケーションを可能にする。
「紙」と「布」を資源として循環させる
イベントで大量に消費される資材として、紙類と装飾用のファブリックがある。これらを使い捨てにせず、高度なリサイクル技術で循環させる取り組みが展開される。
参加者が手にするガイドブックの提供を担うのは、日本製紙グループの紙専門商社である日本紙通商だ。今回提供される紙には、紙コップや紙容器のリーディングカンパニーである日本デキシーが回収・洗浄・粉砕した使用済み紙コップの再生パルプが含まれている。さらにFSC認証も取得しており、資源を無駄にしない調達を実践している。
また、参加者のバッジについては、古紙回収・リサイクルの専門商社として企業の廃棄物ゼロ支援を行う新井紙材が協力。循環に適した紙製のオリジナルバッジを用意する。同社は会期中、このバッジや会場から発生するガイドブックなどの紙資源を回収し、後日トイレットペーパーなどの再生紙へとリサイクルする。単にリサイクル可能な素材を使うだけでなく、出口までを設計した点が特徴だ。
会場を彩るフラッグなどの装飾物においても、画期的なリユースの形を提示する。協力するのは、産業用インクジェットプリンタの世界的なメーカーであるミマキエンジニアリングだ。同社は、ポリエステル生地にプリントされたインクを脱色して再利用する独自技術を開発。SB’26 東京・丸の内の終了後、使用済みのファブリックは同社が回収して脱色し、次回のサステナブル・ブランド国際会議で再び別のデザインを印刷して活用する予定だ。
移動の環境負荷を低減させる

そして、イベントに伴う最大の環境負荷の一つである移動については、日本旅行が参加者専用のカーボン・オフセットプランを用意。参加者が自身の移動に伴うCO2排出量を認識し、寄付やクレジットの活用を通じてそれを相殺する仕組みを整えることで、イベント全体の脱炭素化への意識を高めている。
サステナビリティという共通のゴールに向け、SB’26 東京・丸の内の運営でも各社が手を取り合う。開催まであとわずか。各セッションでの議論の内容はもちろんのこと、会場の隅々に実装されたソリューションにも注目だ。
◎日本旅行の「SB’26 東京・丸の内」参加者専用プラン
https://www.nta.co.jp/akafu/sustainability/#area
| サステナブル・ブランド国際会議 2026 東京・丸の内(SB’26 東京・丸の内) 開催日 2026年2月18日(水)、19日(木)※2日間 会場 東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内3丁目5-1) ※後日、アーカイブ配信(一部セッション除く) 来場者数 5000人(予定) 主催 株式会社Sinc 共催 Sustainable Brands, PBC. (本社:米国) 参加費 有料(事前登録制)※報道関係者は、事前登録で参加無料 内容 基調講演 / テーマ別ブレイクアウトセッション / ワークショップ / 次世代共創プログラム / スポンサー企業・後援団体による展示 / ネットワーキング企画 など 公式サイト https://sb-tokyo.com/2026/ |
眞崎 裕史 (まっさき・ひろし)
サステナブル・ブランド ジャパン編集局 デスク・記者
地方紙記者として12年間、地域の話題などを取材。フリーランスのライター・編集者を経て、2025年春からサステナブル・ブランド ジャパン編集局に所属。「誰もが生きやすい社会へ」のテーマを胸に、幅広く取材活動を行う。









