SB 2018 TOKYO

3月に開催されたサステナブル・ブランド国際会議には、米統合型リゾート運営事業者「シーザーズ・エンターテインメント」のグウェン・ミギタ ソーシャル・インパクト・アンド・インクルージョン副部長兼最高サステナビリティ責任者が登壇した。同社は、現在約400軒のレストランとホテル、あわせて16万平米の面積のカジノを有する統合型リゾートで知られる。ミギタ氏は、統合型リゾートにおけるSDGsへの取り組みを説明した。(クローディアー真理)

従業員には満足のいくキャリア、顧客には行き届いたサービスを提供することのほか、責任ある資源の活用、活気あるコミュニティの構築の4つの規範がある。SDGsの中では、「すべての人に健康と福祉を」「働きがいも経済成長も」「住み続けられるまちづくりを」に向け、努める。

責任あるゲーミング(賭博)の促進は過去約30年間続けられており、対象は従業員と顧客だ。さらに気候変動、人身売買、ジェンダー平等、責任あるサプライチェーンにおける企業努力を重ねる。

環境に配慮した会議を行うよう企業側に促す「レスポンシブル・ミーティングス・アンド・イベンツ・サーティフィケーション」プログラムや、ホテル内の使用後の石けんといったアメニティを回収・リサイクルして、発展途上国に配布する「クリーン・ザ・ワールド」プログラムを実施し、環境面、倫理面での社会貢献を行う。

ダイバーシティの観点では、米国の東部チェロキー族が所有する3つの統合型リゾートの運営を約20年前から行っている。当時、東部チェロキー族は経済的に困窮し、糖尿病患者数も多かったが、同社の介入後、貧困や予防・治療可能な疾病の患者数共に激減したという。

現在では、この3つの統合型リゾートは東海岸最大の観光スポットとなり、年間400万人の来場数に達するまでに成長した。3500人の従業員のうち、1人を除き、経営陣は全員が先住アメリカ人。リゾートの発展と共に、先住アメリカ人独自の文化・言語は復興を遂げている。

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