• 公開日:2018.04.20
  • 最終更新日: 2025.03.28
Uアローズなど、障がい者の悩みに基づき服を制作

後ろが外せる2wayコート

障がい者が衣服について抱える悩みに着目したインクルーシブデザインの服づくりが注目を浴びている。車いす利用者に使いやすい「背中が外れるレインコート」や、寝たきりの生活でも着脱しやすい「ストレスフリーなライダースジャケット」などがある。ユナイテッドアローズ社とソーシャルユニット「Social WEnnovators(ソーシャルウィノベーターズ)」が共同で制作にこぎつけた。障がい者一人ひとりの声を起点にすることで、新たな価値を創ることができるという。(辻 陽一郎)

障がい者や高齢者、外国人などは従来のマーケティング・デザインの過程の中で排除されてきた。インクルーシブデザインの考えでは、そうした人たちの声を聞き、共につくることで、新たな発想が生まれてくる。今回ユナイテッドアローズ社とSocial WEnnovatorsが立ち上げた新レーベル「UNITED CREATIONS 041 with UNITED ARROWS LTD.」では、「障がい者一人ひとりの声に応える6アイテムを制作しました。ひとりの悩みから生まれた、すべての人に心地いい服づくりに挑戦します」という。

発表した6アイテムは、障がいのある人たちに話を聞きながら、デザインに反映させた。例えば、「後ろが外せる2wayコート」は、おしゃれなデザインでありながらも、車いすに乗っていると使いづらいレインコートの課題を解消した。車いすでは雨の日、片手がふさがるので傘を扱いづらい上に、一般的なレインコートでは車輪に引っかかるなど使い勝手が良くなかった。そこで新アイテムでは、背中の下半分を取り外せる仕様にした。車椅子に座っても車輪に引っかかる心配がない。さらに、服のだぼつきを調整できるアジャスターもつけたことで誰もが自分のサイズに合わせて最適化できる服になった。

一人の障がい者が抱える服の課題には、多くの人にとっても共通する課題が潜んでいる。一人ひとりの課題に向き合うことによって、新しい価値を創造することにつながるのだ。

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