• 公開日:2018.04.19
人生100年時代に「子どもの健康」どう守る?(Part2後編)

テーブルごとのグループで協力してディスカッション内容の発表を行う

「ネスレ スペシャルトラック CSVアイデアソン」Part2のテーマは「持続可能な社会を担う子どもたちの健康づくりを考える」。ここではアイデアソンの発表の詳細を報告する。フィジカルだけではなく、メンタル、ソーシャルなど幅広く課題の抽出と、解決に向けたアイデアが提案された。Part1と入れ替わって参加者は27人。それぞれのテーブルで話し合い、発表では他の参加者の新しい発想にも刺激を受けた。
現代の子どもたちの3割以上は寿命が100歳を超えると言われる。食や栄養、運動に対する課題の他、デジタル化に端を発する多くの課題を抽出した。各テーブルのディスカッションは活発で、40分間という限られた時間の中で話が尽きないグループが大多数。参加者の思いがあふれた発表がされた。(SB-J編集局)

Part1に続き、清水 淳子さんによるグラフィックレコーディングが描かれ、参加者が「よくわかった」などのシールを貼った。右下は昨年発売された清水さんの書籍。

あるグループは「子どもたちの文化がアナログからデジタルに移行し、入ってくる情報量は増えているが、内容は画一化している。多様性が欠如しているのではないか」とディスカッション結果を発表した。デジタル化しているのは子どもだけではなく、「大人がスマホに夢中で、子どもたちにアナログのコミュニティを提供しにくくなっている」とも分析。この解決策として「地域で実際に仲間づくりができる、リアルなコミュニティ形成につながるアプリ」を提案した。

同様の発表は他のグループからもあった。「現代は大人が子どもの世界に口を出しすぎではないか。そのため子どもたちが自主的に遊べなくなっているのでは」と話した。「モノは多いが『経験の貧困』につながっている。もっと子どもが自主的に、自由に遊べる空間が必要だ。無人島を体験する機会の提供や、既存のものよりもっと現実世界と連動したゲームがあれば良いのでは」と続けた。

見る、聴く、触る、感じるなど五感を使う経験と、人とのコミュニケーションを促進することで、子どものメンタル面の健康を守るという考え方は共感が多かったようだ。「ネイチャーゲーム」と呼ばれる、自然の中で「樹の音を聴く」などの活動を通じて子どもの感受性を育て、五感をフル活用した体験ができる取り組みを紹介した発表に対して、参加者は興味深く耳を傾けた。また「地域のコミュニティづくりには企業の役割が大きい」とする発表もあった。

このようなアクティビティに注目する発表が多い中、「休養は活動と同じく重要だが、現代の子どもたちは常に情報が流入するため休養が不足しており、能動的に休養することができない」という発表もあった。そこで、学校教育の中に「睡眠学習」を取り入れ、昼寝の時間などを取り入れて休養を学ばせてはどうか、というアイデアだ。

実際に子どもを持つ親の立場から、「学校教育の中で子どもの自主性を伸ばす教育方針が必要」との声も聞かれた。「画一的なカリキュラム教育ではなく、アクティブ・ラーニングのような能動的なラーニングが普及するべき」という。一方で学校教育の大きな変革を、積極的に推進する機関がないことにも触れた。

「食と栄養」についても多くの発表があった。あるグループのNPO関係者は「子どもに食を届ける『子ども食堂』はまだまだ普及が十分ではない。こういった取り組みを、全国規模で広く推進するには、企業の力が欠かせない」と力説した。

大学関係者が集まったグループからは「大学生は大人でも子どもでもないが、大学生が抱える課題は子どもの課題に通じている」という発表があった。「大学生も意外と栄養に困っている。学生への食サポートの取り組みは、やはり企業と協働することが必要だ」と話した。

これらの発表内容は、Part1に引き続き清水 淳子さんがグラフィックレコーディングの手法で、イラストで記録した。アイデアソン終了と同時に見やすくまとめられたイラストは「まさに『集合知』だ」と青木 茂樹ファシリテーターからのコメントも。会場の、発言しやすくオープンな雰囲気をそのまま写したような、フレンドリーなイラストとなった。

専門分野や世代、立場を超えて、多くの人が知識や知恵を共有したことに「刺激を受けた。とても興味深く、楽しい場だった」との声も聞かれ、参加者にとって有意義なアイデアソンは盛況のうちに幕を閉じた。

完成した「ネスレ スペシャルトラックCSVアイデアソン」のグラフィックレコーディング

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