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古紙再生を障がい者の働きがいに!地域に寄り添う東北電力グループ

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エプソン販売株式会社(Sponsored)
仙台の本店ビル前にて

東北6県と新潟県を対象エリアとする東北電力グループ。2021年10月に「東北電力サステナビリティ方針」を制定するなど、社会貢献活動にも力を入れている。地域密着の姿勢は、経営理念である『地域社会との共栄』と、グループスローガン『より、そう、ちから。』に表れている。その中でも近年力を入れているのが、東北電力の特例子会社「東北電力フレンドリー・パートナーズ」と一体となって取り組んでいる障がい者雇用。彼らの仕事の中心にあるのが、エプソンの乾式オフィス製紙機「PaperLab(ペーパーラボ)」だ。

Interviewee 
荻野隆司(おぎの・たかし) 東北電力 ビジネスサポート本部 人財部長
山田全史(やまだ・まさし) 東北電力フレンドリー・パートナーズ 常務取締役 オフィスサポート事業部長

障がいを持つ社員がグループ会社の事務仕事をサポート

──まずは、御社の経営理念『地域社会との共栄』と、グループスローガン『より、そう、ちから。』に込められた思いを教えて下さい。

荻野:
私どもはお客さまに電気を供給するのが仕事であり、使命でもあります。特に発電所の立地をはじめ、地域の方々にご理解をいただかないと、業務はままなりません。それと同時に、私どもも地域に対して恩返しをするために地域貢献をしっかりやっていこうという思いで掲げています。また、当社は創業以来、「東北の繁栄なくして当社の発展なし」ということを社是としていますので、全社員そうした気持ちをしっかり心の中に植え込んで活動しています。

荻野さん

──地域に“寄り添う”活動としては、具体的にどのようなものがありますか。

荻野:草の根的なものとしましては、地域の清掃活動や、高齢者世帯の訪問活動などですね。その他、東北6県および新潟県の中学生を対象とした「中学生作文コンクール」など、地域の方々に直接喜んでいただけるような活動を行っております。

──そうした中で、東北電力フレンドリー・パートナーズはどのような位置づけの会社になるのでしょうか。

荻野:近年、ダイバーシティ&インクルージョンという言葉で説明される「多様性のある社会」の実現は、地域社会においても重要だと思っております。その一環として、障がいを持つ方々に夢のある、働き甲斐のある仕事を提供できないかと常々考えておりました。そこで、2018年、東北電力フレンドリー・パートナーズという会社を設立し、障がいを持ちながらも意欲的に働きたいという方を採用し、仕事をしてもらっています。

──具体的にはどのような仕事ですか。

山田:仕事の発注元は、東北電力と東北電力ネットワークの2社になります。どちらも同じビルに入っていますので、そこでの事務作業のサポートを主に請け負っています。具体的には、紙の書類を取り込んでPDFのデータに変換する作業、大きな会議や講演会の会場設営、各オフィスの廃棄書類の回収、回収した紙をペーパーラボで再生して名刺やノベルティグッズを作る、というようなことを、現在30名の一般職(※同社における障がいを持つ社員の呼称)が行っております。

ペーパーラボは東北電力本店ビルの地下に設置

ペーパーラボの可能性に注目

──ペーパーラボ導入の経緯を教えてください。

山田:親会社の東北電力から「こういうのがあるよ」と教えられたのがきっかけです。当社としては、業務の拡大を通じて,今後も積極的に障がい者を雇用してまいりたいと考えておりました。もし、ペーパーラボで古紙を再生し、それで名刺を作ったりできれば、いろいろな可能性があるなと。実際に使っている様子を見学させてもらった上で、ぜひお願いしますと、東北電力にお願いしました。

山田さん

荻野:実際に導入したのは東北電力です。

山田:私どもはその運用を任されているという形ですね。

荻野:私どもとしましても、紙を使う仕事が非常に多いものですから、これをなんとか有効活用できないかという問題意識は、以前より持っておりました。そんな折、エプソン販売さんからご案内をいただきまして、東北電力フレンドリー・パートナーズの担当者とも相談したところ、障がいを持つ社員の雇用創出にもつながるのではないかということで、導入することを決めました。

──古紙回収からペーパーラボを使った再生紙づくり、名刺・ノベルティグッズ作成まで、一般職の方が行っているのでしょうか。

山田:はい。全て行っています。まず、各フロアを回って、使用済書類を集めてきます。その中から、ペーパーラボで再生するもの、シュレッダーにかけるものに分別します。両面コピーやカラーコピーをした紙を混ぜると、再生した時の品質にばらつきが出てしまうからです。回収する紙の量は段ボールにして1カ月約80箱。そのうち半分の40箱弱をペーパーラボで再生しています。ペーパーラボの操作も、もちろん一般職が行っています。最初は操作できるだろうかと心配でしたが、いざやらせてみると全く問題ありませんし、不安がっていた社員も同僚や先輩たちがやっている姿を見て、じゃあ自分もやってみようと、積極的に取り組んでいます。

再生された紙を段ボールに詰める作業

「やりがい」や「仕事の強み」につながり、大きな成果

──ペーパーラボを導入して、大きく変わったことはありますか。

山田:まず、単純に仕事の幅が広がりました。集めてきた書類は、以前はシュレッダーにかけるだけでしたが、ペーパーラボを導入してからは、再生してコピー用紙にしたり、名刺を作ったり、ノベルティのカレンダーやメモ帳を作ったりと、まさに大忙しです。

──思わぬ成果はありましたか?

山田:ノベルティの絵も社員が描いているのですが、そうした隠れた才能や得意分野が見つかったのは想定外でしたね。そして、もう一つは「やりがい」ですね。名刺やノベルティをお客様にお配りして、評判が良かったという声をいただくことで、「また頑張ろう」という、好循環が生まれています。

荻野:われわれ東北電力の社員にも好影響を与えていると思います。東北電力フレンドリー・パートナーズの皆さんが、書類を回収しに来たり、PDF化した書類を持って来たりする度に、「こんにちは、東北電力フレンドリー・パートナーズです!」と明るく挨拶してくれるので、「元気が出る」とか「勇気づけられる」といった声を社員たちから聞きます。

──社外的にはどうでしょうか?

荻野:名刺やノベルティを地域の方々に配る際に「これは古紙を再生して作ったもの」と説明すると、お客様も関心を持って聞いてくださり、「非常に喜んでくださいます」という報告も、しょっちゅう上がってきています。

ペーパーラボの役割について語る荻野さん(左)と山田さん(右)

──聞くところによると、東北電力向けのノベルティのカレンダーは毎年5000部も作っているとか。デザインなども社内で決めているのですか。

山田:毎年テーマは東北電力からもらっていますが、例えば「東北地方の名産品」というテーマだったら、どんな名産品を描こうかとか、どの月にどの名産品の絵を持ってこようかということは、私たちから提案させてもらっています。

──けっこう時間もかかるのではないですか?

山田:絵の作成などの下準備は春にはもう取り掛かり始め、夏ぐらいから本格的な制作を始めます。ちなみに、東北電力に納める以外に、当社オリジナルのカレンダーも作成し当社の社員が在籍していた支援学校や、支援を受けている機関、そして社員の家庭などにも配っており、そちらからも大変好評を頂いております。

色彩豊かなイラストが目を引くカレンダーやノート

──ペーパーラボを通して、障がい者雇用の課題も見えてきたのではないですか?

山田:そうですね。実は私は今の会社に来て1年なのですが、日々学びというか、一般職の方々の一生懸命働く姿には本当に刺激を受けています。そこで感じたのは、できないことややれないことではなく、やれることに焦点を当てることの大事さです。さきほども申し上げましたが、字を書いたり読んだりは得意じゃないけれど、絵を描くのは上手だとか、同じ作業を飽きずにコツコツとできるということも、実は強みなんですよね。マイナスではなくてプラスのところを積極的に見つけてあげる、そして成果を実感できる工夫をしてあげることも大事です。最近の仕事はデジタル中心ですが、成果が分かりにくいところがあります。しかし紙は実際に手に取ることができるので、成果物として非常に分かりやすい。そうした視点を大事にすれば、もっと障がい者ができる仕事の幅は広がると思います。

荻野:会社としては、どうしても会計的な面を見がちなのですが、「お金に換算できないメリット」もたくさんあることに気づきました。そこをしっかりと意識して、会社として「十分元は取れている」と思えるかどうかが、大事だと思いました。

──今後の取り組みについて教えて下さい。

山田:最近では資料を入れるフォルダや、会社案内などもペーパーラボの再生紙で作っていますが、もっとネタが欲しいという状況なので、今後は、他の東北電力グループ会社や、地域に寄り添うという観点から地元の学校や自治体などとも何かご一緒できればと考えています。

荻野:ペーパーラボを所有しているのは弊社ですが、運営は全て東北電力フレンドリー・パートナーズに任せています。せっかく、社外からも良い反響を頂いているので、東北電力グループ内にとどまらず、どんどん幅を広げて、巣立っていって欲しいですね。それが一番いい展開だと思いますし、われわれもアイデア出しを含め、積極的にサポートしていこうと思います。

仕事を通じてコミュニケーションがうまく取れるようになった

【一般職の方へのインタビュー】
長屋拡夢(ながやひろむ)さん
小形仁翔(おがたじんと)さん

──普段ペーパーラボを使ってどんな仕事をされていますか。

長屋:2人とも機械の操作と、ノベルティのカレンダーを主に作らせていただいています。

──カレンダーの絵を描いたりもされるんですか。

小形:自分たちは描いていませんが、同僚の中に描きたいという人がいるので、出来上がったものを自分や長屋さん、ほかの社員がパソコンを使って印刷して、カレンダーにしたり、ノベルティのノートにしたりしています。

長屋さん(左)と小形さん(右)は東北電力フレンドリー・パートナーズの同期入社

──ペーパーラボの操作は難しくないですか。

長屋:最初の頃は難しいと感じましたけど、ずっとやっているうちに慣れて、今ではスムーズにできています。

──使わなくなった紙を新しい紙にすることについてはどう思いますか。

長屋:新しく使い道ができるのはすごいなと思います。ノベルティとかカレンダーとか、実際に形になるのがすごいです。
小形:会社の仕事で使ったものをまた新しく使えるようにできるっていうのはすごいなと思いましたし、それをどういう風にするのかを知れてよかったです。

──ペーパーラボを使って、新しく作ってみたいものはありますか。

長屋:仕事について詳しく書いたマニュアル本みたいなものを作りたいです。例えば資料をPDFにする作業があるんですけど、その作業が結構細かいので、全部まとめて書いてあるものがあれば便利だなと思います。

──このお仕事をしていて周りの方から何か言われたりしますか。

長屋:カレンダーを納めている会社の方から、カレンダーの出来栄えが良かったという声はよく頂いています。とても嬉しいです。
小形:再生した紙やカレンダーを頂いて家に持って帰り、親やきょうだいから「この絵すごいね」とか「これ再生紙?」とか「自分たちで作ったの?」とか言われると、そういう仕事ができて良かったなって思います。

ペーパーラボの操作もお手の物

──仕事でたくさんの人と会ったり話したりすると思いますが、緊張しないですか。

小形:もともと人前に出ると上手く喋れなくて、人と話すのが苦手でした。この仕事を始めた最初の頃も緊張でガチガチだったのですが、今はちょっと柔らかくなったと思います。
長屋:自分も同じく、人と話すのがあまり上手ではなかったんですが、電話対応や、いろんな部署の方と関わるにつれて、コミュニケーションが上手く取れるようになって、前よりはどんどん発言できるようになりました。

──仕事は楽しいですか。

小形:仕分け作業が毎日続くと、楽しいなっていう気持ちが薄くなってしまいますが、次の日に紙の回収やシュレッダーといった体力を使う仕事をすると、気持ちがリフレッシュして、また楽しさが出てきます。

──座っているだけじゃなくて、いろいろな仕事があるから飽きずにできるということですか。

小形:はい。良いバランスだと思います。
長屋:楽しさもありますし 大変なときもありますが、仕事を覚えていくうちに楽しいと感じます。

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すべては「お客様の笑顔」のために。

製品というモノに、お客様の願いや、想いを含むコトを添えて提案する。私たちは、そんな姿勢を大切にし、永続性のある価値を創出する企業でありたいと考えています。

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