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食品ブランドが「グリホサート・フリー認証」を取得する意味

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スタン・スミス

米モンサントの除草剤「ラウンドアップ」の主成分であるグリホサートの安全性に関する議論が続いているが、私たちの会社、ワン・ディグリー・オーガニックではグリホサートが議題に上ることはない。この疑わしい除草剤の使用を認めないことを決めているからだ。

グリホサートは世界で最も使用されている除草剤だ。米地質調査によると、米国だけでも、グリホサートの使用は1992年の1390万ポンドから2016年の2億8700万ポンドに増加している。

WHOに発がん性物質と推定されたグリホサート。発売元のモンサイトが近年、ラウンドアップを長年使用して悪性リンパ腫を患った患者らに訴えられ、多額の支払いを命じられたことは世界中で取り上げられた。昨年には320億、今年3月には88億円の支払いを命じられた。

私たちは今、グリホサートがいたるところで使われるようになり、その結果生じた問題を目の当たりにしている。グリホサートの使用とミツバチ減少の因果関係やグリホサートの残留物が日々、口にする食べ物に残っているということはさまざまな研究が明かしている。

残念なことに、米環境保護局(EPA)は未だにグリホサートの発がん性が低いと考えていて、消費者がそうした危険性にさらされることを防ぐために食品会社を取り締まることもない。

認証の仕組み

ワン・ディグリー・オーガニックでは2016年、社内でグリホサートの検査を開始した。グリホサート・フリー認証が始まった2017年、米国最大の独立認証企業 BioCheckedとの協働に着手した。私たちにとって、第三者認証は信頼や透明性、消費者の保証を確保するために重要なステップだ。消費者にとっても、マーケティング的なうたい文句より認証が大事だろう。

BioCheckedの認証シールを商品に貼るには、原材料の全ロットを第三者の研究機関で検査し、検査結果をBioCheckedに共有する。少しでもグリホサートが検出されようものなら認証は下りない。

第三者認証なしで自社検査する企業は、研究機関が使用するパラメーターと、小数点以下を何桁まで細かく測れるのか精密性を理解することがとても重要だ。BioCheckedの検査では通常、最小で0.01ppmまで検出が可能だ。

認証の取得を検討しているブランドには、「グリホサートの引き起こす問題に対するブランドのコミットメントはどうなのか」と自らに問うことをお勧めする。ワン・ディグリー・オーガニックではグリホサートの使用についていかなる違反も許さない方針だ。それから、自社のサプライヤーとも近しい関係になることが大事になる。そうすることで製品の独立性が担保され、グリホサートが使用される可能性もなくすことができる。

グリホサートの使用に関するポリシーを徹底させるには、コミットメントが必要となってくる。しかし、食品の安全に関する透明性はワン・ディグリー・オーガニックの根幹をなすものであり、すべての製品にこの考え方は宿っている。

食品の透明性を確保することは、食品産業に信用と誠実性をもたらす一つの方法だ。私が知る限り、グリホサートには未来はない。多くのブランドが後に続き、グリホサート・フリー認証を取得するという大きな一歩を踏み出すことを願っている。

スタン・スミス( OrganicsOne Degree Organics 共同創業者 )