SUSTAINABLE BRANDS JAPAN のサイトです。ページの先頭です。

SUSTAINABLE BRANDS JAPAN のサイト

ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)

国連総会でフードロス削減に向け3つの提言

米サステナブル・ブランド編集部
Image credit: Champions 12.3

2015年の国連総会で、SDGs(持続可能な開発目標)の目標12「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」のターゲット3 (以下SDGs12.3) として、2030年までに食品廃棄物を半減させることが定められた。持続可能な食に向けた企業や政府のグローバル連合である「チャンピオンズ12.3 (Champions12.3)」は、3年が経過した現在、民間セクターがフードロス問題に取り組む好機を捉えつつあると報告した。(翻訳=梅原洋陽)

チャンピオンズ12.3の2018年最新報告書は、多くの企業がSDGs 12.3を達成することに前向きであり、世界の食品メーカートップ50のおよそ3分の2が、フードロス、食品廃棄削減プログラムに参加していると伝えている。

また、多くの企業や国が削減についてのデータを収集・報告するだけでなく、新たな政策やプログラムを導入している。

チャンピオンズ12.3の議長であり、テスコの最高経営責任者であるデイブ・ルイス氏は、次のように述べている。

「世界では9人に1人が満足に食事ができていないなか、全食料の3分の1もが無駄にされ、廃棄されています。この現実は悲劇としか言いようがありません。チャンピオンズ12.3の報告にあるように、取り組みは大きく前進しているものの、さらに多くの企業や国が真剣に取り組む必要があります」

ニューヨークで開催された第73回国連総会では、上記の報告書とともに、主要企業や各国政府による3つの重要な発表が行われた。

食品廃棄物削減に向けた主要食品ブランドの目標と透明性

ルイス氏は、マース、ユニリーバ、ゼネラル・ミルズを含む世界トップ10の食品ブランドが、2030年までの削減目標を掲げるだけでなく、事業で生じた食料廃棄に関するデータを今後12ヶ月間公表し、サプライチェーンや消費者の食料廃棄量を削減するための具体的な対策を実行していくと述べた。

10企業のうち、6企業は世界中でこの取り組みを展開し、4企業はヨーロッパやイギリスで実行していくこととなっている。テスコでは、イギリスにおける自社ブランドの生鮮食品の半分以上の売り上げを占めるトップ27のサプライヤーが、フードロスと食品廃棄に関するデータの公表を始めた。

新サイトでグローバルなフードロス・廃棄データが手元に

「廃棄物・資源アクションプログラム」(WRAP:英国)のマーカス・ガバー氏は、企業や政府がフードロスや食品廃棄量を測定する際に情報を得やすくするため「食品廃棄地図」(Food Waste Atlas)を公表した。

フードロスと食品廃棄に関するデータを、食品ごと、地域ごと、そしてサプライチェーンのステージごとで参照することができる。そして、企業や政府がそれぞれの情報を「食品損失と廃棄に関する測定および報告に関する基準」に則した形で報告できるようになっている。

WRAPと世界資源研究所(WRI)がウォルマート財団からの資金援助を受けて開発した食料廃棄地図は既に190カ国以上のサプライチェーンの情報を有している。この取り組みは国連環境計画、持続可能な開発のための経済人会議やワーヘニンゲン大学研究センターなどからも支援されている。

ガバー氏は次のように語った。「チャンピオンズ12.3に食品廃棄地図を紹介できることを大変嬉しく思っています。地図は政府や企業が自分達のフードロス、食品廃棄に関するデータを入手し、報告する際にとても有益です。世界中で行なっている取り組みをベンチマークすることが可能となるからです。

そして、世界で初めてのフードロス削減計画表を発表しました。この計画はイギリス全体の主要な小売業者と50以上の食品メーカーがSDGs12.3を達成するためにそれぞれの役割を明確にし、測定し、実行していくことを掲げています。

IGD(英国の食品流通関連のシンクタンク)と共同で、WRAPはイギリスの企業が達成すべき目標を提示しています。地図と同様にこの計画表は食品廃棄問題に一丸となって取り組む上で重要な仕組みとなるでしょう」

アフリカで収穫後の損失を半減させる戦略が開始

アフリカ連合の農村経済・農業委員であるジョセファ・サッコ氏は「アフリカ大陸収穫後損失管理戦略」を発表した。

2025年までに達成を掲げている収穫後の損失削減目標を達成するために、必要な一連の政策やテクノロジー、市場インフラ、キャパシティー・ビルディングや投資について細かく説明している。この初めての戦略は、アフリカや加盟する55カ国にとって重要な指標となるだろう。

「穀類だけで、アフリカの収穫後損失額は年間40億ドルと言われており、その金額があれば4800万人の人々に食べ物を提供できます。フードロス問題に取り組むことはアフリカにとって大変重要です。アクションを起こすことが求められています。私たちの戦略は、必要なアクションの基盤となるでしょう」とサッコ氏は語った。

チャンピオンズ12.3はHPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)や世界経済フォーラムとも連携していく。新たに打ち出した「Tech Impact 2030」は、多様なセクターのオープンコラボレーションだ。2030年までに食料不安を解消し、人口が増加するなか、持続的かつ包括的に高い栄養価の食料を供給できるソリューションを生み出すことを目標としている。