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アメリカ

米国で大規模アップサイクル計画:アパレルと協働

ヨガウェアで人気のブランド、プラナの商品をアップサイクル。プラナ社のタグの下に、リニューアル・ワークショップ社のタグが付いている
© The Renewal Workshop

ファッションブランドの売れ残り品や返品商品のほとんどが廃棄処分される中、米国でアパレル商品のアップサイクル(注)・再販売をする企業が2025年までに100万ポンド(約454トン)の衣料品を廃棄処分から救う目標を発表した。ノースフェイスやエシカルブランドなどとパートナー体制を組む。環境負荷の低減だけでなく、パートナー企業のブランド価値を高める効果も狙っている。(クローディアー真理)

ブランドアパレル商品をアップサイクル・再販売し、ファッションブランドにサーキュラー・エコノミーへのシフトを促すのがリニューアル・ワークショップ社(本社・オレゴン州)だ。パートナーのブランドから余剰品を引き取り、水を用いない最新方式で洗濯。不備がある場合は補正を行う。そして品質チェック後、正式に「リニュード・アパレル(再生衣料)」として、もとのブランドのタグ横に、リニューアル・ワークショップ社のものを加える。これで両社の商品基準を満たしていることを示す。

再販売の前に、各アイテムには「インパクト・スコア」がつけられる。これは同社が独自に編み出した計算式による評価だ。ファッション業界が抱える深刻な廃棄物問題を、どのようにすればサーキュラー・エコノミーならではのチャンスに変えられるかを、ブランドや小売業者に示すことが目的だ。評価には、「環境」「廃棄量削減」「利益創出」「雇用創出」の4項目が考慮される。

リニューアル・ワークショップ社を創設した、ジェフ・デンビーさん(左)とニコール・バセットさん
© The Renewal Workshop
リニューアル・ワークショップ社の商品包装には、同社の取り組みなどが書かれている
© The Renewal Workshop

同社の取り組みは、2015年の創業以来、今までに約8万ポンド(約36トン)のブランド衣料を救った実績からもわかるように、環境負荷抑制に役立っている。その一方で、パートナーであるブランドや顧客にもメリットをもたらす。

ブランドはリニューアル・ワークショップを通しての再販で、消費者にごみ問題への解決努力を行っていることを伝えることができる。また正価より平均30%値引きされた商品は新顧客を取り込むチャンスとなる。廃棄予定の商品から利益も生まれる。

顧客は質の良いアイテムを割引で買うことが可能だ。顧客なくしては、衣料をめぐる循環は完全なサークルにならない。サーキュラー・エコノミーにおいては顧客もパートナーといえる。

現在参加ブランドは16社。アップサイクルされた商品は、リニューアル・ワークショップ社のホームページのほか、国内5つの小売店で販売されている。

*注:不用品や廃棄物に加工や工夫などを加えることで、新たな価値を与えて再利用すること。


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クローディアー真理

ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。