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国際

ボルボ主催の地球一周ヨットレースで海洋汚染調査へ

リスボン沖で。一番左がチーム「ターン・ザ・タイド・オン・プラスチック」のヨット。帆にメッセージが見てとれる© Beau Outteridge/Turn the Tide on

ボルボが主催する地球一周ヨットレース「ボルボ・オーシャン・レース」に参加のチームが、来年6月末までのレース期間中、訪れる各海域で水質や汚染度などのデータを収集することになった。他の方法では集めることができない、広域にわたる貴重な情報を得ることができると期待されている。同社は国連の海洋プラスチックごみ削減キャンペーン「クリーンシーズ」をサポートし、レース中も同キャンペーンの啓蒙活動を行う。(クローディアー真理)

海水成分や海流のデータを集める海洋観測ブイを持つ、チーム「ターン・ザ・タイド・オン・プラスチック」のスキッパー、ディー・カファリ© Credit Sam Greenfield/Volvo Ocean Race

今回のボルボ・オーシャン・レースは、全部で7チームが参加し、4つの大洋上、全走行距離4万5,000海里(約8万3,000キロ)で競われている。気温、気圧、風力、風向などの気象学上のデータや、科学的に未解明で、興味が持たれる遠隔海域などでの海水成分と海流のデータは、参加全艇で収集される。これらは気候変動の予測に役立つ。一部のヨットでは、海水の塩分を調査し、海の健全度を測定。マイクロビーズの採取も行い、汚染状態を把握する。

参加艇には、「クリーンシーズ」のキャンペーンを広めるため、そのメッセージである「ターン・ザ・タイド・オン・プラスチック(プラスチック使用のあり方を一変させよう)」を名に冠したチームも参加している。リサイクル不能なプラスチック製品の製造と消費に焦点を絞り、人々に生活習慣の是正、各国政府に政策の見直しを促すのが狙いだ。

同チームのスキッパー、ディー・カファリは「チームの行動が、この問題と世界中の人とを結び付け、皆の考え方に変化をもたらせるという信念を持ってレースに挑戦している」と話す。

私たち人間の目に触れる、海洋に廃棄されたプラスチックは全体の1%にしか過ぎないという© UNEP

「クリーンシーズ」によれば、2015年に全世界で製造されたプラスチック製品は約3億2,200万トン、海に流れ込むプラスチックごみは年に800万トン以上だという。すでに海洋に流れ込んでいるマイクロビーズは51兆粒。海鳥や海洋生物をはじめとする、海の生態系に大きな影響を及ぼしている。

クローディアー真理

ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。