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フランス

ロクシタン、生物多様性の保護でIUCNと3年協定

IUCNフランス委員会のセバスチャン・モンコール事務局長(左)と、ロクシタン・グループ・M&L研究所のカティア・ミケレト所長


化粧品メーカーのロクシタングループ(本社・ジュネーヴ)は6月29日、IUCN(国際自然保護連合)フランス委員会と3年の協定を交わした。生物の多様性の保護が目的で、地中海沿岸部のレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)を作るIUCNのプロジェクトに参画する。ロクシタンは、自社の活動が環境に与える影響の評価を進めており、IUCNはこれを査定する。

IUCN(国際自然保護連合)は、国家、政府機関、非政府機関が集まり、1948年に創立された自然保護のための国際機関で、1200の組織が参加している。IUCNフランス委員会には、2省庁、13の公的機関、41の非政府団体が加盟しており、250人の専門家がいる。

フランスは2015年のIUCNのレッドリストで、絶滅のおそれのある種の数が最多の国ワースト10に入っていた。ロクシタンは新たに更新されるリストのための研究調査費用を提供する。

南仏のプロヴァンス地方で1976年に創業したロクシタンは、2016年度(2015年4月-2016年3月)の年商12億8千万ユーロ(1432億円)、世界中に2900の販売拠点があるグループに発展した。39種の植物を化粧品の主原料にしており、その9割が地中海沿岸産だ。「地中海沿岸は当社のアイデンティティです」と、協定を交わしたロクシタングループのカティア・ミケレトM&P研究所長は断言する。

「製品製造のため、栽培と野生植物採取の両方を行っています。使用植物の半分は有機栽培によるものです」

創業時から生物の多様性保護とエコシステムの管理に関心が高く、数年前から国立地中海植物保護局などにメセナ活動を行ってきた。IUCNとの協力はその延長線上にあるといえる。

「世界には、生物が危機的な状態にあるホットスポットが35か所あります。地中海沿岸もその一つです」

協定により、IUCNは、ロクシタンの活動全般がエコシステムに与える影響を査定するエキスパートの役割も担う。それが、会社の今後の活動戦略を立てる上で役立つ、とミケレト所長は期待する。

IUCNの査定後、企業活動の質が高まることで、環境省がフランスの企業やNPO、自治体などに授与する「生物多様性の国家戦略」ラベルを取得しやすくなる。生物の多様性を保護し、持続可能な方法で利用していくことに積極的な団体に、審査の上、与えられるラベルだ。ロクシタンは3年後のラベル取得を目指している。

羽生 のり子 (はにゅう・のりこ)

環境、エコロジー、農業、食物、健康、美術、文化遺産を主な分野とするジャーナリスト。1991年からフランス在住。環境ジャーナリスト協会、自然とエコロジーのジャーナリスト・作家協会、文化遺産ジャーナリスト協会(いずれもフランス)の会員。共著「世界の田園回帰」(2017年、農文協)。