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生物多様性を応援する「GTFグリーンチャレンジデー」――東京・新宿御苑で3年ぶり開催

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海洋ゴミでつくったアクセサリーをうれしそうに見せる子ども

グリーンチャレンジデーは、生物多様性を意識するためのさまざまな行動を応援する日として、GTF(グレータートウキョウフェスティバル実行委員会)が環境省と共同で2010年に企画。この日を象徴する場として、例年秋口に開催されているイベントが 『GTFグリーンチャレンジデー』だ。一昨年と昨年はコロナ禍でリアル開催が見送られたが、今年はいつも通り都会のオアシス・新宿御苑を会場に、ステージやワークショップ、マルシェなど様々なプログラムが行われた。官公庁・企業・団体・市民が一丸となって取り組むこのイベントに、小学2年生の娘と妻の3人で参加してみた。(いからしひろき)

都心とは思えない広々とした芝生の広場で開催(新宿御苑)

開催は2022年11月5、6日の2日間。筆者は初日の土曜に足を運んだ。
当日は見事な秋晴れ。会場である新宿御苑を歩くだけで気分爽快だ。都心にこうした自然を感じられる場所があるのは貴重なことである。

会場は、新宿門から一番突き当りにある風景式庭園。広々とした芝生のスペースに、50を超える出展者のテントがずらりと並ぶ。中央にはステージがあり、トークショーなどが繰り広げられている。お祭り気分満点だ。

子どもたちへの、またとない“学ばせ”の場に

このイベントは、生物多様性条約第10回締約国会議(CBD COP10)が愛知県名古屋市で開催された2010年にスタート。イベントプログラムは、「国連生物多様性の10年日本委員会」が推進している5つの「MY 行動宣言」に沿って構成されている。今年のテーマは、“つなげよう、支えよう森里川海”だ。

MY行動宣言に沿ってプログラムが構成されている(公式サイトより)

つまり、難しいことを考えなくとも、興味の向くまま、マルシェで買い物したり、各ブースで体験したりすれば、自然と生物多様性への理解が深まるというわけだ。

GTFグレータートウキョウフェスティバル事務局長の磯和樹さんも「楽しみながら参加していただくのが一番。こういう都会のオアシスに来るだけでも、身近な生物の多様性に気づくきっかけになりますから」という。自ら意識して学ぶことが難しい小学校低学年や未就学児の子を持つ親にはまたとない“学ばせ”の場だ。

特製おでんとミルクティー

まずは腹ごしらえ。ステージ脇の「環食ブース」で、有名シェフ・脇屋友詞氏監修の特製おでんとジャスミンミルクティーを購入。おでんの具は、国産小麦を使った揚げワンタンや、魚の可食部を有効活用した練り物など。ミルクティーのストローはクッキー製でゴミが出ない。美味しく食べながら、食料自給率やフードマイレージ、フードロス、プラスック削減といった問題に、子どもの関心を向けさせることができた。

サステナブルファッショントークや「0円 服の交換会」も

その頃メインステージで行われていたのが「サステナブルファッション スペシャルトークショー」だ。山田美樹環境副大臣、モデルの長谷川ミラ氏、H&Mジャパン・サステナビリティコーディネーターの山浦誉史氏、一般社団法人unisteps共同代表の鎌田安里紗氏(司会)が、世界のサステナブルファッションの現状について語り合うというもの。

ファッション分野での課題について語り合う、山田環境副大臣(左から2人目)、モデルの長谷川ミラ氏(同3人目)ら

これには妻が興味津々。「素敵!」と目を輝かせた長谷川氏の服が、実はリサイクル素材でできていると知ると「全然そんな風に見えないね」と驚いた様子。山田環境副大臣が「DXを上手く活用して、無駄な服を作らないことも大事」という言葉には「私も無駄な服を買うのはやめよう」と大きくうなずいていた。

大勢の女性で賑わった「0円 服の交換会」。色ごとに服が分けられていた。

入り口近くでは「0円 服の交換会」も開催されていた。これは、着なくなった服やバッグを持ち寄りって交換しあうというもの。スタッフの人によれば“クローゼットシェアリング”といい、タンスの肥やしの有効活用だけでなく、掘り出し物を見つける楽しみもあるとか。また、自分が持ってきた服が売れると“うれしい”という気持ちも湧くことから、新しいファッションの楽しみ方として、特に女性を中心に注目が集まっているそう。妻も「うちにある服も持ってくればよかった〜」と残念がっていた。

まるでお祭りの縁日

そこからは各ブースを子どもと一緒に回った。参加したのは、太陽光発電によるプラネタリウム、海ゴミアクセサリー造り体験、エコクイズなど。ほかにも、エコ素材で作られたアイテムや自然栽培食品を扱う店などがずらり並び、「いらっしゃい!ぜひ立ち寄って行ってください!」とにぎやかな声。まるでお祭りの縁日を歩いているようで、こうしたイベントも久しぶりだと感慨深かった。

太陽光発電のプラネタリウム
エコクイズに挑戦!
代替木材で作られたウクレレの販売
北海道で自然栽培の農場を営む夫婦
スマホで植物などを撮ると名前を教えてくれる

特に楽しかったのは「新宿御苑の生き物探し」だ。アプリをダウンロードし、新宿御苑内の自然の写真を撮って景品をもらうというラリー式のイベントだが、これにはむしろ筆者が夢中になった。本当に写真を撮るだけで、木や花の名前がネット上のビッグデータをもとに表示される。IT技術の進歩に驚くとともに、「身近な植物にもちゃんと名前があるんだなあ」と、日常の生物多様性に目を向ける良い機会となった。

そうこうしているうちに、あっという間にイベントの終了時間。マルシェで買ったおやつや景品など、たくさんのお土産を抱えて家路についた。この楽しさはきっと子どもの記憶に残るだろう。これをきっかけに子どもが少しでもエコに興味を持ってくれれば、親冥利に尽きるというものである。

いからし ひろき

ライター・構成作家。旅・食・酒が得意分野だが、2児の父であることから育児や環境問題にも興味あり。著書に「開運酒場」「東京もっこり散歩」(いずれも自由国民社)がある。