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SDGs活用し「グレート・リセット」を――第3回「未来まちづくりフォーラム」で日本創生モデルをつくろう

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笹谷秀光・未来まちづくりフォーラム実行委員長

「第3回未来まちづくりフォーラム」は来年2月24日、パシフィコ横浜ノースで開催される。同フォーラムは活動指針としてSDGs宣言を発信し「協創で日本創生モデルをつくろう SDGsで『グレート・リセット』」をコンセプトに掲げる。4日に行われた実行委員会には、SDGs未来都市を推進する内閣府地方創生推進事務局から北廣雅之参事官が参加。SDGsをめぐる国内外の動向と、SDGsを活用した国の地方創生戦略を説明した。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局)

未来まちづくりフォーラム実行委員長の笹谷秀光氏は「新たな生活様式、ニューノーマルという言葉も聞くようになったが、今はそういう次元ではないのではないか。社会がリセットを要求する、あらゆる場面でのパラダイム・シフトが起こっていると見てもいい」と話し、「グレート・リセット」を「第3回未来まちづくりフォーラム」の重要なテーマとして挙げた。

人と人、人と社会、人と世界がコロナによって「分断」されてしまった。このインパクトで価値観が変わり、「仕切り直し」「再起動」つまり「リセット」が必要になっていると笹谷氏は問題を提起する。これに加え、欧州が推進する「グリーンリカバリー」の動向へも注視が必要だ。そして政府が強力に促し、一気に浸透すると見られる「DX」。この3つのキーワードを、SDGsを活用して推進することが必須になる。

「SDGsは、すでに日本の政策とも一体化しつつある」と笹谷氏は分析する。特に顕著なのが「スーパーシティ構想」だ。特区での規制緩和とICTを活用した最新技術を合体させ実装する 現在56自治体が特区として手を挙げており、186企業がエントリーしているという。

「ポストコロナ時代においても、SDGsを用いてマッピングし、議論を可視化していく世界が到来している」(笹谷秀光・未来まちづくりフォーラム実行委員長)

SDGs達成へのアクション、地方公共団体で60%目指す

内閣府地方創生推進事務局 北廣雅之 参事官

経済の発展を目指せば環境負荷がかかるというように、世界的にもさまざまな課題が複雑に錯綜している状況だ。部分的な個々の課題に対応するのではなく、全体をトータルして解決していくことがSDGsの取り組みの本質にある。

日本の政策においても、SDGsへの取り組みは「ビジネスとイノベーション」「SDGsを原動力とした地方創生」「SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント」の3本柱を中核として今後、展開を加速していくとしている。この中で、その名のとおり「地方創生」を担うのが内閣府の地方創生推進事務局だ。SDGs未来都市選定や地方創生SDGs官民連携プラットフォームを通じた民間参画の促進、地方創生SDGs金融を通じた「自律的好循環」の形成に向け、SDGsに取り組む地域事業者などの登録・認証制度の推進などを行う。

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内閣府が発表した第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で、地方創生SDGsは「横断的な目標」のひとつ「新しい時代の流れを力にする」という項目に位置づけられる。北廣参事官は「地方創生の目標は『人口減少と地域経済縮小の克服』『まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立』だ」と説明する。これをバックキャスティングの思考で推進するため、具体的な目標を設定しているという。

内閣府が行った地方公共団体向け「SDGsに関する全国アンケート調査」などによれば、「SDGsの達成に向けた取り組みを現在推進している」と答えた地方公共団体は2019年11月時点で約13%。これを2024年度末に60%へ向上することを目指す。

そのための個別のKPIとして「SDGs未来都市選定数を累計210都市に」「官民連携マッチング件数を累計1000件に」「地方創生SDGs金融に取り組む地方公共団体を累計100団体に」という3項目を掲げる。

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「未来まちづくりフォーラム」は官民連携の絶好の機会だ。しかしSDGsへの取り組みがそうであるように連携は手段に過ぎず、その奥には政策としても推進される「豊かな地域の創生」、ひいては日本の創生がテーマにある。そして笹谷実行委員長は「未来まちづくりフォーラムは『発信する場』として設計している」と語る。政府官公庁、地方公共団体、企業、NPO/NGO、教育機関、金融、メディアなどが協力し、その取り組みを広く社会に伝えることで価値を創造するだけでなく、さらに価値を増す――。第3回未来まちづくりフォーラムに注目だ。