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SDGs未来都市あいちの取り組み 「日本のフロントランナーであり続ける」ーー第2回未来まちづくりフォーラム④

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第2回未来まちづくりフォーラムのスペシャル・トークでは、昨年7月、SDGs未来都市に選定された愛知県の大村秀章知事が登壇。まさに世界一の自動車産業の集積地であり、日本経済の稼ぎ頭である名古屋の地の利、環境の利を生かした、SDGsの取り組みを語った。(廣末智子)

愛知では名古屋市と豊橋市、豊田市の3市も未来都市に選定され、今、関係者が連携し、さまざまな要素を加味して地域づくり、街づくりを行なっているところだ。具体的には、経済面では、次世代自動車のインフラ整備ということで水素ステーションの設置を進めている。県独自の補助制度を実施し、2020年度中に28カ所。東京の16カ所を大きく引き離して日本一だ。

自動運転についてもとにかく実用化だと、2019年度は中部空港の中で5G等を使ったり、巨大な万博公園内の移動バスを自動で走らせたりというような実証実験をやった。豊田市内の丘陵地帯では、650万平方メートルの敷地にトヨタ自動車のテストコース11本と研究開発棟含めて29棟、トヨタの社員約4000人が働く日本一の研究団地を造成中で、新たな付加価値を生むだろう。さらにスタートアップの拠点づくりとして、名古屋のど真ん中に日本最大、世界最大規模のスタートアップ用インキュベーションをつくることも進めている。

一方、社会面では、愛知は製造業が多いのでこれまでどうしても若い女性が少なかった。しかしそれではサステナブルではない。女性輝きカンパニー認証制度を設けたり、ウーマノミクス推進事業や活躍促進サミットなど女性の活躍の旗振りを今一生懸命にやっている。

また外国人の子どもたちを日本語教育を中心に支援している。さらに衆議院議員時代から障害者福祉をライフワークとしており、高等部を併設した小中高の特別支援学校を4校新設するなど、特に障がいを持った子どもたちの教育に力を入れている。そういう形で、障がいのある方も健常者も一緒に暮らし、働いていくバリアフリーの社会をしっかりつくっていきたい。

環境面では、2010年に採択した生物多様性の「愛知目標」を達成すべく、全国そして世界の先進自治体と連携を進め、地球温暖化防止に向けた取り組みはもちろん、低炭素の水素認証制度や住宅の太陽光発電の採用もさらに前進させる。SDGsを進める上では経済ももちろんだが、人づくり、それもダイバーシティが大事で、環境もしっかりと進める、日本のフロントランナーであり続けたい。

廣末智子(ひろすえ・ともこ)

地方紙の記者として21年間、地域の生活に根差した取材活動を行う。2011年に退職し、フリーに。サステナビリティを通して、さまざまな現場の当事者の思いを発信中。