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「いますぐ気候正義を!」学生主導で都内2800人が気候マーチに参加、23都道府県でも開催

「大人たちに長期的視点に立ってもらいたい」と話す高校生


23日から始まる国連気候行動サミット2019を前に20日、世界150カ国以上で若者が主導する気候危機対策を訴えるデモ「グローバル気候マーチ(GLOBAL CLIMATE STRIKE)」が開催された。国内でも23都道府県で実施し、5079人が参加。東京・渋谷では夕方、中高大学生が主導するマーチに総勢約2800人が集結し、世界のリーダーに対して先進国やこれまでの世代が生んだ気候変動の責任を途上国や次世代の若者に押し付けないよう「気候正義を求める」と声を上げ、早急な気候危機対策を求めた。(サステナブル・ブランド ジャパン=小松遥香)

昨年、スウェーデンで当時15歳だったグレタ・トゥーンベリ氏が気候危機対策を訴え、毎週金曜日に学校を休み国会前で始めたストライキ「Fridays For Future(未来のための金曜日)」。世界のリーダーが集まるサミットを前に、今回は若者だけでなく大人も巻き込んで世界中で展開された。

東京で「グローバル気候マーチ」を主催する学生らの集まり「Fridays For Future Tokyo」は、世界のリーダーに対し気候危機への早急な対策を求めるとともに先週13日に請願書を出した東京都に対し「気候非常事態宣言」の発令を求めた。

グローバル気候マーチのオーガナイザーを務める、国際基督教大学1年生の梶原拓朗氏は「気候変動や温暖化によって生活が危機にさらされている人たちが世界中に数多くいる。私たち、子どもの未来もその一つ。気候変動は科学でも証明されている事実だ。私たちに時間は残されていない。世界はどうなるのかという焦燥感と何も動かない社会に怒りを抱えている」と訴えた。

東京では2800人が集結

温暖化により雪が少なくなっている現実に「冬を守ろう」と訴える、スノースポーツコミュニティPOW(Protect Our Winters)


20日夕方、「グローバル気候マーチ」のスタート地点となった国連大学前には、若者を中心に日本人だけでなく外国人なども集まり、広場を埋め尽くす黒山の人だかりができた。その様子を見ていた環境省総合環境政策統括官の中井徳太郎氏はこう語った。

「人間が日々暮らさせてもらっているこの地球のエコシステムがいま悲鳴を上げている。今日の集まりは、みなさんがそのことに気づいた証だと思う。いまの地球は、体に例えると、肝硬変になるぎりぎりのところ。いまならまだ回復することができる。地球の一部である人間が、老若男女、官も民も協働し、SDGsという本当のパートナーシップを実行し、みんなで経済や社会の仕組みを対立型ではなく、危機感をバネにして良い方向に持って行く機会だ。一緒に頑張りたい」

国際社会における日本の厳しい立場を指摘したのは、国際環境NGO 350.org シニアキャンペーナーの古野真氏。

「来週開かれる気候行動サミットで、日本政府は発言の権利もない状況だ。国連事務総長は、野心的なコミットメントを発表しない限り、サミットで発言できないと話している。これから世界的により野心的な行動が求められる中で、日本政府や企業にも脱石炭の方針を導入し、再生可能エネルギーを推進すること、この2つの対策が日本に求められている」

セールスフォースやパタゴニアの社員らが参加

横断幕を掲げて歩く、セールスフォースの社員

集まった2800人はプラカードを掲げるなどし、「今すぐ気候正義を」と声を上げながら、青山から表参道を抜けて渋谷のスクランブル交差点を通過し、青山に戻るルートを約1時間かけて行進した。帰宅時間で賑わう沿道からは「気候?」と驚く人や足を止めるビジネスパーソン、動画を撮影する外国人観光客などさまざまな反応があった。

企業として参加する人たちもいた。「グローバル気候マーチ」の国内賛同企業には、セールスフォース・ドットコムやパタゴニア日本支社、ラッシュジャパン、フェリシモなど8社が名を連ねている。

米スノーボードブランド「バートン」はこの日、世界中のオフィスと旗艦店、ウェブサイトを閉めた。「冬のアウトドア体験を未来世代にも楽しんでもらいたい」という同社では当日、従業員を有給休暇扱いとし、各地域のマーチに参加する方針をとった。東京では約80人の従業員がマーチに参加。バートンジャパン代表の須川尚美氏は、「気候変動によってどのようなことが起きているのか全社で事前勉強した。2013年にグローバルで掲げたサステナビリティの方針に沿った行動だ。高い意識を持ってマーチに参加している」と話した。

英化粧品ブランドのラッシュは世界38カ国で独自のストライキを実施。国内の路面店では、「気候変動問題に声を挙げるため」として一時閉店をし、大型店舗内の店では店舗と調整をしながら、世界の子どもたちが求めるように通常の営業を止めるなどし、消灯をして営業を行うなどした。

20日当日、朝日新聞に意見広告「彼らが学校ストライキをする理由」を出したパタゴニア日本支社は都内で約100人、セールスフォースは約50人が参加した。

大人たちに長期的視点を

マーチを終えた高校生らは、「私たち若者でも世界を変えられる力になることを示したかった。最初は友達を誘っても来てくれなかった。こうして多くの人が参加してくれるようになったいま、課題はどう本当のメッセージを大人、最終目標である政治にもっていくかだ」と話した。

「大人は、自分たちの代だけではなく、自分たちが持っている責任を後のことまで長期的な目で見て欲しい。年齢を重ねると、人との関わり合いが減っていく中でどうしても自分勝手になっていくかもしれない。小さかった頃の、友達と協力しようとかそういう価値観を少しでも頭に残していただけると世界はもっと良くなると思う」(高校1年生)

小松 遥香 (Haruka Komatsu)

Sustainable Brands Japan 編集局デスク。アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。「持続可能性とビジネス」をテーマに取材するなか、自らも実践しようと、2018年7月から1年間、出身地・高知の食材をつかった週末食堂「こうち食堂 日日是好日」を東京・西日暮里で開く。