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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)

「自社らしい」CSR/CSVが企業ブランド向上に

SB2019Tokyo

セッション「サステナビリティ時代の企業ブランディング」。左から電通の間宮孝治氏、クボタの浅香辰也氏、テレビ東京ホールディングスの高塚有香氏、ファシリテーターの細田悦弘氏

CSR/CSV(注)、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組み非財務情報を充実させた企業は、ESG(環境・社会・ガバナンス)に注目する投資家が評価する――。このストーリーには、社会における存在意義を明確化し企業価値向上につなげるブランディングが不可欠だ。セッション「サステナビリティ時代の企業ブランディング」では、本業を社会課題に結び付けることで「自社らしさ」に磨きをかけ、企業ブランドの向上に成功した取り組みが紹介された。(松島 香織)

ファシリテーターを務めた中央大学大学院戦略経営研究科の細田悦弘フェローは、「平成は自然災害が多かったが経済を回すためには健全な社会が必要。健全な社会は盤石な地球があってこそだ」とサステナブルな社会の実現のために企業がCSR/CSV、SDGsに取り組む重要性を指摘した。

テレビ東京ホールディングス総務人事局総務部CSR推進委員会の高塚有香事務局長は「インターネットの普及でテレビ離れの危機感があるが、次世代や社会を応援する良質な番組やコンテンツで問題提起することが非常に重要。これこそが当社の本業によるCSR」だと話した。

同社は小学生から大学生を対象にした次世代キャリア教育プログラムを実施している。病気や障がい、不登校の子どもたちにもプログラムを届けたことが評価され、文部科学省の平成30年度「青少年の体験活動推進企業表彰」の大企業部門で文部科学大臣賞を受賞した。

2020年に創業130周年を迎えるクボタは、ICT(情報通信技術)とIoT(モノのインターネット)を活用した「スマート農業」に取り組む。データの活用で農家の働きがいや働きやすさを高め、社会には安心・安全な作物の提供につなげている。

「これまでの農業は勘や経験に頼りがちだったが、工業的発想で合理的で儲かる農業へ転換させたい」とクボタCSR企画部CSR推進グループの浅香辰也グループ長は話した。

電通は小学生が広告作りを通してコミュニケーションを学ぶ「広告小学校」を実施している。答えの無いことをみんなで考えるプロセスに意味があり、子どもの表現力を養えると好評だという。

電通Team SDGs 新!ソーシャル・デザイン・エンジン ライター/プランナーの間宮孝治氏は、「生活者にサステナビリティの意識を伝えるためにも企業は『隠匿の美』ではなく、広告やメディアでどんどん発信してほしい」と力を込めた。

細田氏は、社会全体でコミュニケーション能力が重要になってきていることを指摘し、「目先の利益も大事だが今日の財務状況があるのは、これまでの非財務(的な取り組み)のおかげ。非財務情報が企業評価の物差しとなり、企業の無形資産や価値につながる」と締め括った。


*注:Creating Shared Value:共有価値の創造は、社会のニーズや問題に取り組むことで社会的価値を創造し、同時に、経済的価値が創造されるというアプローチを指す。ハーバード大学のマイケル・E・ポーター教授の論文で広く知られるようになった。

松島 香織 (まつしま・かおり)

企業のCSRや広報・IR部署を経て、SDGs、働き方改革(ダイバーシティ)、地方創生などをテーマに取材中。