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古着からバイオジェット燃料―JALがフライト計画

全国で回収した古着からバイオジェット燃料をつくり、旅客機を飛ばす計画がある。日本航空(JAL)が進める「10万着で飛ばそう!JALバイオジェット燃料フライト」だ。古着の綿を原材料とし、微生物の働きで燃料を製造する。エネルギー効率の向上が今後の課題だ。身近な衣料品から環境課題をとらえ直す取り組みで、同燃料を使った2020年中のフライト計画に向け12月20日まで全国の衣料品店や百貨店の店頭で古着を回収している。(オルタナ編集部=堀理雄)

プロジェクトの背景にあるのは、他企業・団体との協働だ。衣料品の回収については、全国で衣類をリサイクルする取り組みを展開する日本環境設計(東京・千代田)の協力のもとで進められる。

バイオジェット燃料製造は、Green Earth Institute(東京・文京)の技術サポートのもと、地球環境産業技術研究機構(京都府木津川市)が開発したバイオプロセスを使用して行われる。古着の綿に含まれるセルロースを酵素で糖分に分解し、微生物に食べさせてアルコールを製造。その後化学反応によりジェット燃料をつくる。

非可食バイオマスを原料としたバイオジェット燃料は、食糧問題を起こすことなく、CO2削減など地球温暖化防止に貢献できると期待されている。プロジェクトでは、古着から約60リットルの純バイオジェット燃料を製造し、それを混合した燃料でチャーター便が国内をフライトする予定だ。

課題はエネルギー効率とコストだ。今回のバイオジェット燃料製造では、実際には従来のジェット燃料製造にかかるエネルギーと同じか、それ以上のエネルギーがかかるという。今後、規模拡大などによってエネルギー効率を改善し、実用化に向けたコスト削減が望まれる。

日本航空の担当者は、「『身近なものが燃料になることの意外性』から環境課題を『自分ごと化』し、バイオジェット燃料やCO2削減について多くの人に関心を持ってもらいたい。また国産バイオジェット燃料製造の実績を作ることで、将来の商用化の一助になれば」と述べる。

回収店舗は、イオンなどのショッピングモールに入る「Taka-Q」や「靴下屋」、スーツ販売の「はるやま」などの衣料品店、大丸、松坂屋といった百貨店の店頭で実施している。特設サイト全国の回収店舗や回収期間が掲載されている。

回収は繊維製品全般が対象で、当該店舗で購入したものでなくても持ち込める。綿素材以外はリサイクルやリユース、寄付に役立てる。ただし「靴下屋」は靴下・ストッキングのみ回収するなど店舗によって異なる。回収参加者のなかから、抽選でバイオジェット燃料でのフライトに招待される。