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石川県の内装部材企業が「SDGs宣言」をした理由

コマニー(石川県小松市)は、パーティションなどオフィス用内装部材のメーカーだ。東証2部上場、国内トップシェアを持つが、一般には大きな知名度があるわけではない。そんな同社がこのほど、「コマニーSDGs宣言」を発表した。地域企業にとってSDGsの意味合いとは――。(オルタナ編集部=中島 洋樹)

コマニー 経営企画本部の塚本直之本部長は、同社のCSRへの取り組みはSDGsが制定される以前の2008年がきっかけだったと振り返る。

この年、リーマンショックの影響もあり、同社は創業以来、主軸のパーティション事業部門が初めて赤字決算となった。

そこで塚本幹雄社長が「改めて自分たちの営業活動の足元を見直そう」と、経営の原点を見つめ直すことを始めた。

さらに「全従業員の物心両面の幸福(しあわせ)を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献する」という経営理念を全従業員に再度浸透させるために「トレーナー」を任命し、チームとして積極的な社会貢献活動を始めた。

2011年の東日本大震災では被災地での支援活動を役員から一般社員まで順に行い、南三陸町で農業支援(畑を耕したり作物の収穫)や漁業支援(ホタテ養殖の網仕込みや浮きの清掃)、海岸や体育館の清掃活動などを行った。

2014年他社との合同勉強会で社会問題と社会貢献活動について学んだ際、自主的に行いたい社会貢献活動案を自分たちで出し合い、トレーナーとともに実現する現在の仕組みになったという。現在、同社では98名のトレーナーが活動にあたっている。

同社では社会貢献活動を「地域貢献」「日本貢献」「世界貢献」の3分野に分けて行う。「地域貢献」では地元小松市が開催する子ども向けの「おしごとたいけん」に企業として参加。また、2015年より地元の方々や福祉施設の方々を招いて模擬店やお祭りを行うイベント「コマフェス」を開催している。

「日本貢献」では、東日本大震災や熊本地震、福岡県朝倉市の豪雨災害での被災地支援、「世界貢献」ではカンボジアでの井戸設置支援や図書館の建設などを行ってきた。

「募金のみではなく、従業員自ら現地に赴き活動をすることが大切」と塚本本部長は力説する。2008年、2009年に主軸のパーティション事業部門が赤字決算を計上したが、以降は会社を挙げたCSRへの取り組みが功を奏し、2010年に黒字に転換、現在に至るまで黒字決算を継続中だ。

2018年4月には「コマニーSDGs宣言」を発表した。SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」を中心に「目標3、4、5、7、8、9、12、13へと活動展開していきたい」としている。

SDGsの目標について、現在行っているもの、今後行う予定を合わせ、2030年までに施策を具現化する。塚本本部長は宣言の理由を「社会やユーザーを考慮した製品開発や、社会貢献活動をさらに加速させ、持続可能な社会の実現を目指すため」と説明する。

「SDGs宣言」の取り組みとして現在継続しているものの中には、子どもがいる社員が在宅勤務を行えるよう設けられた在宅勤務規定の実施や、金沢大学やLIXILとのLGBTトイレの共同研究などがある。

同社グループの行動規範はLGBTの性自認についても追記した。今後の取り組みとしては、メガソーラー(大規模太陽光発電)の設置や学校設備長寿命化対応商品の拡充、病院や介護医療市場に向けた製品の研究開発などを計画している。

会社全体としてCSRへの取り組みを成功させるには「社内で反対する人を敵と見なさず、自身の思いを互いに話し合うことが大事だ」と塚本本部長は言う。同社は「SDGs宣言」の取り組みにより、持続可能な社会の実現を目指すことで、自社を持続可能な企業にしていきたい考えだ。

中島 洋樹(なかじま・ひろき)

株式会社オルタナ オルタナ編集部
2018年4月オルタナ入社。入社1ヵ月弱でCSR検定3級合格。趣味は高校野球観戦、絵画鑑賞、テニス、ビリヤード、サイクリング、ウォーキング、国内旅行など広範囲におよび、特技はカラオケ(レパートリーは50曲以上)。好奇心旺盛で、編集のオールラウンダーを目指す。

「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。