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イオン・ヤフー、食品ロス削減の取り組み加速

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世界で出る食品ロスの量は、
飢餓に苦しむ8億人の食糧分を超える
(C)U.S. Department of Agriculture

国内で、食品ロスを減らすための取り組みが加速している。5月に富山市で開催されたG7環境大臣会合で、資源消費を減らし経済を発展させる「富山物質循環フレームワーク」が採択され、「食品ロス・食品廃棄物対策」が強化課題となった。イオンは値引き商品に食品ロスを啓発するシールを貼って販売促進する「フードレスキュー」を実施、ヤフーも廃棄される直前の食品を割引価格で販売するなど、企業の動きも広がってきた。

農水省によると、国内では食べられるはずの食品が毎年642万トン捨てられている。特に流通、消費段階での食品ロスが多いことから、これを減らすために官民で取り組んでいるのが「フードロス・チャレンジ・プロジェクト」である。

イオンでは、2月にこのプロジェクトの一環として、イオン葛西店(東京都)において、最終値引き商品に食品ロスを啓発するシールを貼って販売促進する『フードレスキュー』の取り組みを実施した。

顧客の反応もよく、廃棄率が減って利益率にも貢献したため、6月からイオン、イオンスタイル380店に取り組みを拡大した。総菜やパンなどにフードレスキューのシールを貼付し、消費期限が迫ったものから優先的に購入されるよう促している。

イオンでは、CSRと事業が一体化したCSV経営の実現に向けて、2020年までに達成すべき10の活動「ビッグチャレンジ2020」をあげているが、この中でも注力している活動の1つが、廃棄物ゼロへのチャレンジだ。

その取り組みの中には、野菜や果物、魚類などの『ばら売り』の実施もある。「必要な量だけ購入できるため顧客からの要望が多い」と、イオンリテール株式会社広報部鈴木茂伸氏は話す。また、同社にとっても「大きく育ちすぎた野菜など規格外のものも販売できるため生産時の廃棄物を減らす」(鈴木氏)などメリットがあるという。

ヤフーでも「食の『もったいない』を価値へ」をテーマに、賞味期限の迫った食品を協賛価格でメーカーから出品してもらい販売する企画「リユース!ジャパンプロジェクト」を、サイト上で実施している。出品している商品が落札されると、1落札あたり50円がYahoo!基金に寄付され、災害被災者および災害被災地への支援に利用される仕組みだ。

世界では毎年作られる食料の3分の1が捨てられている。生産から消費の各段階で、食品ロスを減らす取り組みが求められている。

箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に「地球のために今日から始めるエコシフト15」(文化出版局)「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。

http://gogreen.hippy.jp/