• 公開日:2019.03.19
「循環型」目指すイケア、英国で修理ワークショップ
  • クローディアー真理

英国グリニッジ店内に設けられた、ワークショップを行うエリア、ラーニング・ラボ
© IKEA

イケア(本社スウェーデン)はこのほど、英国ロンドン市内にサステナブルな取り組みを展開する実験店を開いた。数々の環境負荷抑制のための努力だけでなく、顧客向けの修理ワークショップも開く。顧客に製品の修理方法を教え、長く使ってもらう。同社は2030年までの達成を目指して、「循環型ビジネス」「健康的で持続可能な暮らし」「公平と平等」という3つの目標を掲げている。(クローディアー真理)

サステナブルな取り組みを実施するのは、ロンドン市内にあるグリニッジ店だ。運営にあたり、ソーラーパネルでの発電、雨水の利用、地熱暖房、LED照明を利用し、環境への負荷を抑える努力を行っている。

同店が試みる新たな取り組みは、「ラーニング・ラボ」の設置だ。ここでは顧客のための修理ワークショップが開かれている。イケア製品が壊れた際の修理方法をはじめ、再利用やアップサイクルをどのように行うかを教える。プロが伝授する、手持ちの製品を新しいスタイルに変身させる方法やヒントに消費者は興味津々だ。

修理やアップサイクルは消費者自身が行うことが可能なこと、こうした作業を行えば、商品を長く使うことができることを理解してもらおうという狙いだ。

グリニッジ店にはサステナブルな特徴がほかにもある。駐車場のスペースが限られていることだ。店舗の広告でも触れられており、顧客に公共交通機関を利用しての来店を促す。社員はマイカー通勤を自粛し、商品の配送にはエレクトリックバンを採用している。

グリニッジ店の限られた駐車場スペースは、障がい者用が占める
© IKEA
グリニッジ店の店内。イケアの3つの目標を顧客に知ってもらうための情報が各所に掲げられている
© IKEA

英経済紙『フィナンシャル・タイムズ』によれば、イケアは実験的に家具のリース・ビジネスも開始する予定だという。まずはスイスでオフィス家具を貸し出す。リース期間を終え、返却された家具は社内で修理し、再度リースに出すか、割安で販売する。今後対象をキッチン家具にも拡大するかどうか検討中だそうだ。

さらに商品に使用されている部品の販売ビジネスにも着手するという。すでに日本など4カ国で行われている家具の下取りサービスに加え、これらの試みは、同社が目標としている循環型ビジネスの展開に一役買うことは間違いない。

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written by

クローディアー真理

ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。

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