• 公開日:2016.07.14
  • 最終更新日: 2025.03.21
サステナビリティと収益の二兎を追う――「SB国際会議2016」報告セミナー(1)

    CSRや人事・総務担当者などのビジネスパーソンのほか、CSRに興味のある学生など多くが集った

    SB-J創刊記念「SB国際会議2016」サンディエゴ本会議報告セミナー開催

    6月に開催された「サステナブルブランド(SB)国際会議2016」の報告セミナーが13日、都内で開かれた。「サステナブル・ブランド・ジャパン(SB-J)」を運営する博展とSustainable Life Media, Inc.(米国・サンフランシスコ)がSB-J創刊を記念し主催した。米国本会議に参加した、カシオ計算機 総務人事統轄部 CSR推進室室長の木村則昭氏、日立製作所ICT事業統括本部 コーポレートコミュニケーション本部 CSR部部長 兼 ブランド戦略部担当部長の増田典生氏、駒澤大学教授の青木茂樹氏、オルタナ編集長の森摂が登壇し、「パーパス」や「ミレニアル世代」などをキーワードに報告した。(オルタナ編集部=松島香織)

    博展の鈴木紳介取締役が挨拶に立ち、「国際会議の会場はリゾートホテルでとてもフランクな雰囲気で生産性の高い会議だった」と振り返り、「サンディエゴ本会議の内容を日本企業に伝えたい」と話した。

    サステナブル・ブランド国際会議 東京 プロデューサーを務めるオルタナ編集長の森摂(左)とサステナブル・ブランド国際会議 東京 アカデミック・プロデューサーを務める駒澤大学経済学部教授 青木茂樹氏(右)

    オルタナ編集長の森は、国際会議のテーマである「アクティベイティング・パーパス(Activating Purpose)」の「パーパス」とは、企業やビジネスは何のためにあるのかを問う「存在目的」という意味であること、日本企業は特に「サステナビリティ(持続可能性)とプロフィタビリティ(収益性)」の二兎を追うべきであること、などを話した。

    続けて、2000年以降に成人した「ミレニアル世代」は、10年後には会社の中核になり、社会の主流になることを話した。彼らは物への関心があまりなく、友人家族とのつながりを大切にし、SNSが主なコミュニケーションツールになっている。更には社会課題の解決やサステナビリティに敏感で、課題に取り組まない企業に対して厳しい目をもつ。それまでの世代とはまったく価値観が違うことを強調した。

    駒澤大学の青木教授は、ヤフー検索キーワードの分からない言葉の第一が「サステナビリティ」だと話し会場の笑いを誘った。アメリカ西海岸で売り上げを伸ばしているクラフトビールを挙げ、単なる製品でなく意味を持たせたアイコンにし、リーマンショック後の市場と社会の再生をかけてマーケットを作り出していると分析した。

    また、自転車を本会議に持参したことに触れ、自転車はCO2を排出しないので気候変動対策のアクションになるクリーンな乗り物だと話した。サンディエゴ会議の周辺地域はバイクレーンが整備されており、「わたしを町に連れてって」というキャッチコピーで自転車レンタルを呼び掛けていることを紹介した。取り組みには真面目であるだけでなく、こういったユーモアが必要だと話した。

    第二部のパネルディスカッションでは、カシオ計算機の木村室長と日立製作所ICT事業統括本部の増田部長が、それぞれ本会議で面白かった3つの講演やシンポジウムを挙げた。

    サステナブル・ブランド国際会議は来年3月8日から9日まで東京での開催が決まっている。プログラムなどの詳細は10月に告知予定だ。

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