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世界同時「脱プラ」衝撃④NZからエシカルグッズ続々

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シャンプーやリンスなどのヘアケア商品が人気のエティーク。米国、オーストラリア、日本、香港、台湾に輸出しているほか、ネット販売も行っている
© Ethique

世界同時に「脱・使い捨てプラスチック」の流れが鮮明になったなか、ニュージーランドでも使い捨てレジ袋の配布中止が進んだほか、プラそのものの削減を目指すエシカルな商品が増えてきた。プラ容器を必要としないシャンプー、プラ代用として新素材を取り入れたボトルや生理用品の3例を紹介する。(クローディアー真理)

「脱・使い捨てプラスチック」が進行中のニュージーランドでは、消費者は包装・容器や商品自体に用いられるプラスチックを意識するようになっている。購入物品を見直し、プラスチック無使用のものに切り替える人も出てきた。そうした需要にこたえたアイテムも増えている。

固形パーソナルケアグッズはプラ容器いらず

シャンプーからモイスチャライザー(保湿クリーム)まで40種類以上の固形状のパーソナルケアグッズをそろえたのが「エティーク」だ。すべて石けんのような形状で、プラスチック容器を必要としない。

エティークは、ニュージーランド国内で最もスコアが高いBコーポレーションだ。2012年の発売開始から現在までの販売数から計算すると、50万本以上のプラスチック容器を廃棄せずに済んだことになるそう。2020年までにそれを100万本まで伸ばすことが目標だ。

包装は安全に生分解できる紙製で、インクには大豆インキを使用している。商品の原材料はすべて天然植物性で、ヴィーガン。倫理にもかなったものだ。パラベンなどの化学物質や、保存料、着色料は一切含まない。動物実験も行っておらず、年間収入の20%をアニマルウェルフェア団体に寄付している。

自然界にある素材でボトル作り

製造時、ベター・ボトルは従来のプラボトルよりカーボンフットプリントを78%も抑えられる
© For The Better Good

世界ではプラスチックボトル飲料が毎秒2万本も購入され、2021年までに20%の増加が予想されている。フォー・ザ・ベター・グッド社(本社・南島アロータウン)は、プラスチックではない素材を用いたボトルを作り、問題解決に挑戦している。

「ベター・ボトル」と名づけられた、湧き水入りボトルはでんぷんや果糖など、再生可能な素材で製造されている。ボトル自体に体に害になる物質は含まれていないので、安心して複数回使用ができる。国内には、水のリフィル・ポイントを100以上設け、再利用を推奨する。

使い終われば、ラベルもボトルと共に生分解し、堆肥にすることができる。専用の回収場所に持ち込めば、同社が責任を持って処理。海や河川などに流れ込む可能性を低くできる。また、24本入り1箱が売れる度に、同社は木1本の植樹を行っている。

生理用品の素材はプラスチックでなく、オーガニックコットン

生分解するのにかかるのはわずか3~5年という、オイの生理用品
© OI The Organic Initiative

生理用品は、現在市場に出回っているもののほとんどが、レーヨンやプラスチック製だ。使用済みのものを廃棄すると、生分解には数百年という年月がかかる。

対して、「オイ」の生理用品は、オーガニックコットン製だ。国内と太平洋諸国のオーガニック認証制度、バイオグロと、国際的な有機繊維基準である、グローバル・オーガニック・テキスタイル基準の認証を得ている。コットン生育時に殺虫剤、防かび剤などを使用せず、サステナブルなサプライチェーンを経た製品であることを証明している。

パッドやタンポンの包装にはバイオプラスチック、それらを入れる箱には紙が使用されている。印刷には植物性染料を用いている。
「オイ」は定期的に刑務所の女性、貧困層の女学生を対象に生理用品を寄付している。商品の箱詰め作業は、障がい者に依頼。キャリア支援を行う。


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クローディアー真理

ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。