• 公開日:2017.07.03
SB国際会議2017デトロイト報告(3)
    • 森 摂

    「グッドライフ」、地球規模で議論を

    コーアン・スカジニア氏
    コーアン・スカジニア氏

    [コーアン・スカジニア サステナブル・ライフ・メディア社(SB主催者)CEOの基調講演]

    創造力と独創性、そして情熱が、私たちが生み出してきた社会的課題を解決するための大きな力になるのです。

    各企業のブランドづくりやサステナブル・ブランド国際会議において、私たちは、イノベーションを通じて、社会が何を求めているのかを知ることができます。それが私たちにとっての価値創造です。特に、この会場に来ているブランド担当者やマーケティング担当者の皆さんは、社会の未来を創造する上で、とても重要なポジションにいます。

    米国は、国民一人ひとりが生活や自由、そして幸福の追求をすることができるという信念の元に建国されました。今日ここに集まっておられる企業も、同じようなパーパス(存在意義)によって創業されたのではないでしょうか。

    しかし、生活水準は高くなった一方で、工業化によって思わぬ結果ももたらされました。私たちは詰め込まれ、機械的に働かされました。何より、世界のビジネスが密接にかかわり、お互いが密接な存在であることを忘れてきたのです。

    私たちは20世紀以来、幸せの矛先を、良い服、大きい家、高い車などに求めてきました。こうした「獲る」「作る」「消費する」経済は、地球の資源を使い尽くし、地球を危険な状態にして来ました。

    私たちの今後のミッションは、「グッドライフをどう再定義するか」の議論を、世界規模で引き起こすことです。私たちが未来に明確な意志を持てば、これまでのような「望まない結果」による悪影響を減らし、ビジョンを現実に変えることができるはずです。

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    森 摂(もり・せつ)

    株式会社オルタナ代表取締役社長・編集長。

    東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。訳書に、パタゴニア創業者イヴォン・シュイナードの経営論「社員をサーフィンに行かせよう」(東洋経済新報社、2007年)がある。一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事。特定非営利活動法人在外ジャーナリスト協会理事長。

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