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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)
サステナブル・ブランドの作り方

第8回:「新品よりずっといい」という共通認識

SB-J コラムニスト・足立 直樹

アウトドア・アパレルメーカーの「パタゴニア」は多くの修理専門のスタッフを抱えている Image credit:raizo


こんにちは、サステナブルビジネス・プロデューサーの足立です。さて、この「サステナブル・ブランド」という考え方は、サステナビリティをブランドにするということですから、まず何よりその活動がサステナブルであることが重要です。その上で、それをどうブランドの価値としてどう役立てていくかという話になります。

ですからこの連載でこれまで紹介してきた会社はいずれも、サステナビリティへの取り組みにおいて優れていると言っていいでしょう。しかし、世界にはそうした会社がまだまだ存在します。さらには、サステナビリティを追求することが会社の存在意義になっているような会社、サステナビリティの権化のような会社があるのです。

そんな会社が果たして「商売が成り立っているのか?」と思われるかもしれませんが、それでもきちんとビジネスが成立しています。いえ、ビジネス的にも大成功しているのです。にも関わらず、発しているメッセージはまるでどこかの環境NGOのようなのです。今回は、そんな企業の一つをご紹介したいと思います。

その企業とは、パタゴニアです。ご紹介するまでもないかもしれませんが、アメリカの西海岸を発祥とするアウトドア・アパレルメーカーです。アパレルと言うと、最近はファスト・ファッションと言う言葉もあるように、安い商品を次々に製造・販売し、消費者に気軽に買わせ、そしてまた気軽に捨てさせるようなビジネスモデルが世界を席巻しています。しかし、パタゴニアはこれとは真逆の戦略を取っています。

例えばパタゴニアのお店に行くと、一見ありきたりに見えるフリースが1着数万円もしたりします。ファスト・ファッションのお店に行けば3,000円、4,000円で買えそうなものが、その10倍もの価格で売られており、しかもそれがきちんと受け入れられているのです。

もちろん細かい性能は違うのですが、それにしても10倍という価格差には驚きます。しかもそれが決して高級ファッション・ブランドのラグジュアリーなドレスではなく、むしろ普段着なのです。それではそうした高い商品がなぜ受け入れられるのでしょうか?

それは、顧客もパタゴニアも、一度買った商品は極めて長い間使うことを前提にしているからのように思えます。

企業がモノを売る。消費者がそれを買う。この行為についてパタゴニアとその顧客の間では、他の企業と顧客の間とはかなり異なった認識があるように思えてならないのです。それでは実際に、パタゴニアのアンバサダー(大使)の話を聞いてみましょう。

「着ることについてのストーリー:トム・ドイジ・ハリソン:パタゴニア」

こうしたユーザーの言葉に応えるべく、パタゴニアは多くの修理専門のスタッフを抱えています。今度は、その言葉を聞いてみましょう。

「新品よりずっといい - パタゴニアのWorn Wear修理トラックと施設:パタゴニア」

働いている人もお客さんも、その双方が、修理しながら長い間着ていくことが「好き」なのですね。そして長い間着ていればいるほど、それがかけがえのない一着になっていく様子が伝わってきませんか。なるほど、「新品よりずっといい」のです。

それでも、やはり私たちは不思議にならないでしょうか?「たしかに、気に入った服を長く大切に着たいという人はいるだろう。でも、それで商売が成り立つのだろうか?」と。

これについては… ちょっと話が長くなりましたので、次回、もう少し掘り下げてみることにしましょう。


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足立 直樹
足立 直樹 (あだち・なおき)

サステナブル・ビジネス・プロデューサー。株式会社レスポンスアビリティ代表取締役。一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブ理事・事務局長。東京大学・同大学院で生態学を学び、博士(理学)。国立環境研究所とマレーシア国立森林研究所(FRIM)で熱帯林の研究に従事した後、独立。2006年にレスポンスアビリティを設立し現在に至る。2008年からは企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)事務局長も兼務。

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