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国際

CNN、世界の子どもにプラスチックの海洋汚染を啓発

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米CNNは「世界海洋デー」の6月8日、世界中の子どもを対象に昼食時にストローなどの使い捨てプラスチック製品を使用しないことを促す「ゼロ・プラスチック・ランチ」キャンペーンを実施すると発表した。SNSで使い捨てプラスチック製品を使用しない昼食の写真を共有してもらうなどして、プラスチック製品が海洋に与える影響を理解してもらう。同社は6月8日までの期間中に、プラスチック汚染などの環境問題を取り上げた番組の放映も行う。(オルタナ編集部=小松遥香)

CNNによると、世界では年間3億トンのプラスチックが製造され、そのうち800万トンが海に流れ込んでいる。世界に存在する全プラスチックのうち、リサイクルされるものはわずか9%。プラスチックが自然界で分解されるには数百年かかると言われ、廃棄されたプラスチックに含まれる有害物質が自然や海洋生物の汚染を引き起こす問題も指摘されている。

「ゼロ・プラスチック・ランチ」キャンペーンでは、子どもたちに1週間でどれだけの使い捨てプラスチックを使用したか数えてもらい、CNNが作成したワークシートに記入してもらう。そして、使用したプラスチック製品の代わりに環境に配慮した製品を使えないか、使わずに済む方法はないかを考えてもらう。

子どもたちは、ストローなどプラスチック製品を使った昼食とプラスチック製品を使わない昼食を写真に撮り、ZeroPlasticLunch@cnn.comにメールで送るほか、SNSで「#ZeroPlasticLunch」というハッシュタグをつけて共有することでキャンペーンに参加できる。CNNは世界海洋デーの6月8日、子どもたちの昼食をグローバルネットワークで放映する予定。

このほか、同社は、英国などで禁止が決まったプラスチック製ストローについて、学校にプラスチック製ストローの禁止を求めるよう呼び掛けている。

プラスチック廃棄物を減らす5つのステップ

CNNは今回、子どもたちにプラスチック廃棄物の問題を理解してもらうための簡単な動画を制作した。動画ではプラスチック廃棄物を減らす5つのステップを紹介。プラスチック製のストローの代わりにステンレスもしくは紙製のストローを使用することや、エコバッグや再利用できる弁当箱、水筒を使うこと、そしてプラスチックの成分と同じ合成樹脂が使われているチューインガムを口にしないように勧めている。

今回の「ゼロ・プラスチック・ランチ」キャンペーンの手法は、CNNが「現代の奴隷」問題を解決するために立ち上げた「CNN Freedom Project」で培った世界中の学校や生徒を巻き込んでアクションしてもらうという方法を生かしたもの。

同社の広報担当者は、「国連の調査によると2050年には魚の数よりプラスチックの数の方が多くなるという予測が立てられるなど、プラスチックによる海洋汚染の問題は深刻になっている。CNNはTVやデジタルメディア、SNSを通して20億人以上の人にリーチできるリソースを持っている。このリソースを生かして、問題に対する認知度を向上させたい。そして、世界中の学校や生徒を巻き込んでアクションを起こしてもらいたい」と話した。

小松 遥香(こまつ・はるか)

オルタナ編集部 。アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。趣味は、大相撲観戦と美味しいものを食べること。