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自然保護大賞で幅広い世代の活動が受賞、SDGs前面に

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生物多様性保全に貢献した個人や団体、企業、自治体を表彰する「日本自然保護大賞2019」の受賞者がこのほど決定した。市民団体による森林・水辺の環境保全活動や高校生の森林保全活動が3部門で大賞を受賞したほか、4つの活動が特別賞に選ばれた。同賞はNGO日本自然保護協会が実施。5回目の開催となった今回からSDGs(持続可能な開発目標)を前面に出して募集し、前年を3割上回る88件の応募があった。(オルタナ編集部=堀理雄)

市民活動の長期継続に向け、若い世代に活動をいかに引き継いでいくかが課題となるなか、今回受賞した活動のなかでは、小中高生や大学生の参加、世代間の交流などが注目された。

教育普及部門で大賞を受賞した「鈴鹿・亀山地域親水団体連携体」の活動では、10~30歳代、50歳代、70歳代とメンバーの中心世代が異なる3団体がゆるやかに連携し、「里山塾」や定期的な池干しなどの活動を実施。世代を超えた協力関係を築いている点が評価された。

保護実践部門で大賞を受賞した「三嶺の森をまもるみんなの会」の活動には大学生が参加し、また子ども・学生部門で大賞受賞の「北海道士幌高等学校 環境専攻班・士幌環境講座」では高校生が主体となって活動を推進するなど、若い世代の取り組みが評価されている。

日本自然保護大賞は、自然保護憲章の制定40周年となる2014年に創設。5回目となる今回は、SDGsや「生物文化多様性」への関心の高まりを踏まえ、より幅広いジャンルの活動を募集した。

日本自然保護協会の鶴田由美子事務局長は、「SDGsでは海域・陸域の豊かさはもちろん、パートナーシップも目標とされており、連携やダイバーシティといった点も重視されている。市民活動を継続・継承していくためにも、多様性のある多世代型の活動が重要となっている」と述べた。

「自然保護や生物多様性の保全は、人間社会が続く限り必ずやっていかなければならない。賞の開催を通じて、そうしたことを志す人がさらに出てきてほしい」(鶴田事務局長)

3月30日に都内で開催する授賞記念シンポジウムでは、シンガーソングライターで同協会参与のイルカさんが講演する予定だ。

受賞活動は、大賞3部門それぞれの受賞のほか、選考委員特別賞など特別賞が4活動。入選は27活動だった。大賞、特別賞を受賞した活動は以下のとおり。


【大賞】
●保護実践部門 三嶺の森をまもるみんなの会(高知県)
 「みんなで取り組む『シカ食害で痛む三嶺の森』の保護と再生」
●教育普及部門 鈴鹿・亀山地域親水団体連携体(三重県)
 「世代の異なる3団体の連携体による水辺環境保全と次代の人づくり」
●子ども・学生部門 北海道士幌高等学校 環境専攻班・士幌環境講座(北海道)
 「士幌の原植生、カシワ林を後世に伝えるために」

【特別賞】
●沼田眞賞 特定非営利活動法人 海浜の自然環境を守る会(兵庫県)
 「大阪湾最奥に残る自然海岸・甲子園浜を未来へ受け継ぐ」
●選考委員特別賞 西垣慎治郎(兵庫県)
 「ヤマセミ一家の子育て観察をとおして、県の絶滅危惧種の保全をアピール」
●選考委員特別賞 愛知県立木曽川高等学校 総合実務部(愛知県)
 「『イタセンパラかるた』で、高校生が小学生に保護の大切さを伝える」
●選考委員特別賞 富士ゼロックス端数倶楽部(東京都)
 「グループ社員の想いを集め、自ら行動し、自然保護を促進」