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SDGsを経営戦略へ埋め込むには―第4回SB-Jフォーラム

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サステナブル・ブランド(SB)国際会議・東京を約4カ月後に控えた11月19日、会議参加者の交流を促進するコミュニティ活動「第4回 SB-Japanフォーラム」とその分科会が博展本社(東京・中央)で開かれた。当日は、SDGs(持続可能な開発目標)を経営に組み込むための戦略や、SDGsの視点からどのように知的財産を普及・管理していくかといったテーマに関し、活発な議論が交わされた。10月にバンコクで開かれた、SB国際会議の最新の報告も行われた。(オルタナ編集部=堀理雄)

経営戦略への統合に課題

リクルートホールディングス サステナビリティ推進部の田瀬和夫シニアパートナー

SB-Jフォーラムは9月に分科会「SDGs:マッピングの一歩先へ(全3回)」を始動した。「SDGs経営戦略」に全社を挙げて取り組むリクルートホールディングスが実践事例を提供している。その2回目となる今回は、リクルートホールディングス サステナビリティ推進部の田瀬和夫シニアパートナーが登壇し、「リンケージ・ムーンショットとSDGsの経営への実装」をテーマに講演を行った。

田瀬氏は、多くの企業で事業活動をSDGsの17の目標に紐づける作業を行っているものの、「そこで思考が止まってしまい、経営戦略への統合まで進んでいない」と問題提起した。

SDGsを経営に実装するためには、SDGsの各目標が互いに因果関係で結びついていることを踏まえたうえで、そのリンケージ(連関)を経営戦略に取り込むことが必要だと強調した。

生物多様性技術などの知財活用戦略

富士通の金光英之 環境・CSR本部長

第4回 SB-Jフォーラムの前半では、富士通の金光英之 環境・CSR本部長が登壇。「SDGsの視点からのWIPO GREEN活動(知財戦略)」と題して講演した。

WIPOは、バランスのとれた利用しやすい国際的な知的財産権制度を推進する国連の専門機関で、WIPO GREENは環境やサステナブルな技術、ライセンスを、低価格あるいは無償で提供するプラットフォームをつくり、技術のマッチングを行っている。

富士通では2017年9月からWIPO GREENに参加している。生物多様性保全技術のデータベース登録など同社の実践活動を紹介したうえで、金光氏は「短期的な視点ではビジネスとしては成立しなかったとしても、中長期の視点でみればブランド価値を高め、経営戦略として重要となる。時間軸をどのように設定するかが重要」と指摘した。

SBバンコク、日本から「水」テーマに参加

後半は、10月12日、13日に行われた「サステナブル・ブランド国際会議2018バンコク」の参加報告が行われた。

日本からは、サントリーホールディングスの椎名武伸 サステナビリティ推進部長、積水化学工業 経営戦略部環境経営グループの三浦仁美 担当部長が参加し、SBバンコクでプレゼンテーションを行った。椎名部長は「水と生きる」というサントリーの企業理念、三浦部長は「水のリスクと機会」といったテーマで発表し、議論を深めた。

SB東京サステナビリティ・プロデューサーの足立直樹氏は、今回の開催が、バーン・カチャオというバンコク市内からほど近い自然保護区のなかで行われたことを紹介したうえで、「サステナブルなツーリズムなど、現地で実際に必要とされているテーマの議論が多かった。会議が本当にそのコミュニティのためになるのか、その成果を現地に戻すような仕掛けがなされていた」と話した。